大衆心理


Q:この言葉をライトノベルと文学の側に立って批評しなさい。


 「大衆を見下す奴こそ周りが見えていない真のバカだ」



















A:ラノベ「あの孤独好きにつける最高の薬だ」

 文学「暴走する大衆心理が異論の排撃に向かう瞬間だ」


 大衆心理の中に安住するにはどうすればいいか。異論一つで瓦解するような強度では駄目だ。異論を唱える人間を問答無用で排除しなければ、安息できない。そんな心理から生まれた大衆(みんな)の正しさを説くこの命題には、排斥感情が溢れている。


 ラノベの主人公が根暗だと、周りは懺悔改悛させるために必ずこんな言葉を吐きつけるだろう。ラノベは明るいイケメンのためのメディアなのだから。

 主人公が明るい時は、根暗な脇役の価値観を攻撃する場面でこの言葉を使うだろう。

 強面の主人公の場合は、確信犯の大衆蔑視発言に周りが喝采する展開になるだろう。

 ベストセラーの作り手が同じ言葉をはいた場合、その傲慢さが溢れかえる。

 まったく、大衆心理は根暗の異論をとことん馬鹿にして、強面の暴論をとことん支持するものだ。


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