新自由主義
Q:ライトノベルの物語に流れる新自由主義を衝き動かすエネルギーとは何か?
A:気に食わない価値観を「無職枠」に押し込めて、自己責任の名の下で排斥するエネルギー。
現代社会を動かす新自由主義の起源は英国のサッチャー政権に始まる。サッチャーは労組の支配する炭鉱を邪知暴虐なる主敵に選び、閉鎖に追い込んで坑夫たちを失業させた。しかし、それは始まりでしかない。
新自由(保守)主義のメディアは、失業者となった彼らが酒に溺れる無職になったと描いた。これがかのニートの原像である。日本社会に合わないあまりに忌まわしい憎悪用語なので、ここでは「無職枠」と表記する。
新自由主義のメディアは彼らを放置するのでなく、寧ろ積極的に登場させた。気に入らない価値観を不細工に造形した彼らに代弁させれば、それだけでその価値観を全否定できるためである。そして、正義の味方たる新自由主義のイケメンは、問答無用で自分ちの行動様式を全肯定できる。
これなら、赤字でないとやっていけないサービスを切り捨てても、格差の拡大を堂々と肯定できる。自分たちの価値観に染まらない文化風習は、早速無職枠の好む価値観として描いて侮辱してから排除しろ。お早うや有難うの声が小さい奴は、破滅してしまえばいいんだ。
これが、新自由主義を動かすエネルギーである。例えば橋下徹あたりがこのレトリックを常用する。
無職枠の味方を自称して、実際にはイケメンの価値観や行動様式を賛美するのを基本とするライトノベルもまた、同じエネルギーで動いている。無職枠への憎悪が無いと、たちまちその物語は破綻していく。
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