ノベルゲーム


Q:ノベルゲームで文学界を震撼させることは出来ますか?

















A:理解してくれる批評家が欠かせません。


 無料のノベルゲームやカクヨムといったUGC(User Generated Content)では、誰でも作品を制作して公開できる。もちろん、文学級の作品を公開することも出来る。


 しかしながら、文学界や出版界はいまだ、紙の書籍を中軸にして動いている。ラノベ級でないと書籍化されないノベルゲームという媒体で文学級の作品を書いたとしても、出版社の編集者は気づいてもくれない。気づく可能性があるのは、書籍化を目指して応募した時だが、応募時点で従来のメディアと一緒になってしまう。

 書籍化されたとしても、気軽なライトノベルとして読まれ、真面目な文学として読まれはしまい。何を書いたとしても、文学枠で受け止めてもらえなければ始まらない。必要なのは、作品よりも批評家である。


 森絵都や畠中恵などライトノベルや少女小説から高年齢層向けの小説家に転じた作家は少なくない。しかしながら、ノベルゲームからの流れはほぼ無いのが現状である。

 竜騎士07はノベルゲームの「ひぐらしのなく頃に」から小説を刊行して読物小説界に進出し、ノベルゲーム文学界の代表者となった。しかし、批評家たちは氏の作品をまともに評価していない。みんなの行動力が探偵個人の推理を打ち負かして決着する同作がミステリー小説としては破綻しているだけに。

 解決策が子供騙しでなく、ミステリー小説として機能するものだったら、ゲーム作家に対する今日の境遇がもう少し上がっていたかもしれない。


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