文学レベル

Q:文学とライトノベルの決定的な質の違いとは何ですか。ここでいう文学とは、学園ラブコメなどライトノベルでも可能な基本設定のものとします。













A:「暗い」から「明るい」、「やらない」から「やる」への流れしか正しいと認めないのがライトノベルで、どんな方向にも話が流れるのが文学だ。



 ライトノベルおよび付属領域の深夜アニメのストーリーは、一見して個性豊かにみえる。しかし、「暗い」から「明るい」、「やらない」から「やる」にしか話が流れないと悟ると、話は一気に単調化する。一時的に「暗い」「やらない」状態になったとしても、1話もしないうちに「明るい」「やる」方向へ向かうことが最初から約束されている。「要らない」禁欲は「やっぱり要る」貪欲へと最後に転換する。


 文学の場合はその流れが複雑怪奇である。むろん、「暗→明」に流れるものもあるが、「明→暗」への流れを賛美する流れも太く、「要らない」と宣誓したら、最後まで「要らない」のが美学である。思うに「要らない」論理を堂々と述べてから、「やっぱり要る」と転向する場面は、「要らない」論理が説得的であればあるほど「要る」と言って取り組む場面が魅力ゼロのカスにみえる。

 教訓が一方向に纏まらない混沌さこそ文学の魅力である。


 事例

 明るい新入社員の記者が、間違いがないよう一文一文厳密に書く慎重さを面倒くさがり、適当な憶測で記事を書いて大誤報となり、慎重に調べて書く大切さを思い知る展開。

 ライトノベルは、そんな慎重さを蔑んでやまない。







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