第7話

妻との久しぶりのデートだ。と言ってもただの買い物に過ぎないのだが、彼女は楽しそうにしていた。

夕飯の買い出しを済ませた帰り道の事だ。彼女があのときに通ったルートとは別の道を歩いていた。彼女は

「いつもと違う帰り道だから少しわくわくする。」

と言っている。

僕は、この道なら大丈夫だと、そう思っていた。そのとき、曲がり角から突然ナイフを持った男が現れた。前回彼女を殺した奴だろうか、現場に置いてあった物と同じナイフを持っている。僕は彼女の前に立った、そして男と距離をとり彼女を守ろうとした。男はナイフを持ったまま暴れている。僕は、もう少し下がったところで走って逃げようと考えていた。しかし、男はナイフを構えて僕の方へ走って来た。男のナイフは僕の右腹部に刺さり、抜き取られた。腹部から血が溢れ、服に滲んでいる。僕はその場で倒れてしまった。

「いやあぁああ、棗君、棗君」彼女の悲鳴が聞こえる、彼女は悲鳴すらも美しい音色に聞こえる。彼女を、彼女助けなきゃ、そんな思いも虚しく、僕は意識を失った。

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