第6話

3回目の9月18日、彼女に起こされた、彼女は不安そうな顔で僕を見下ろしていた。僕は起き上がると、彼女の背を軽く擦った。そして、僕は会社を休むことにした。

上司に電話を掛けた、上司には妻の体調が悪いと嘘を付いたが、上司は、

「お腹の子に何かあってはいけないから」

とあっさりと許可してくれた。

僕は、上司の優しさと嘘をついてしまった罪悪感で胸が締め付けられそうになった。これも彼女を守るためだから仕方がない、それにしても家に居ても駄目ならどうすればいいのかそれが問題だ。妻は

「折角休んだなら一緒にお買い物に行こう」

と言っている。僕は正直不安だったが、道を変えるなりして防げるところは防ごうということで買い物に行くことに決めた。妻はウキウキとしながら身支度を整えている。その姿がとても愛おしくて堪らなかった。しかし、疑問に思うところが何点かあった、彼女が僕を起こしてくれたときには朝食とお弁当を作ってくれていた。それが三回目の今回はまだ作っていないこと。たまたまなのかよく分からないがそれが不振でしょうがなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る