第5話
僕はふと、あの懐中時計を思い出した。あの懐中時計を持ち上げたことで過去に戻ることができたことに、
僕は彼女に遺体にシーツを掛けて河川敷に向かった、懐中時計があることを願って、
河川敷に着いた。あのときのように草の中に隠れているのではないかと必死に探した。しかし、見つかることはなかった。やはり、これは夢なのではないかそう考えていたとき僕の着ているスーツの胸ポケットから違和感があることに気がついた。胸ポケットに手を入れると、何も入っていなかったはずのポケットには懐中時計が入っていた。あのときの物と同じなのにそれは金色のメッキが所々剥がれて、ひどく錆びていた。僕は懐中時計を握り締めた。過去を変えたはずなのに彼女を救うことのできなかった無力さから、懐中時計を地面に叩き付けた。そのときまたあの激しい光が僕の視界を奪った。そして、意識を失っていった。
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