第4話

20××/01/07 雨


「勘弁してくれよ...」


俺は今、家にいる。

部屋には3体の化け物が徘徊中だ。


2体はノイズのような何かを呟いている。解読不能だ。

1体は数字を繰り返し喋っている。こいつは話しかけると反応がある個体だ。


「ふふふ... 幻覚に個体差とかアホか」


幻覚に個性があるとか、笑えない冗談だ。


「あと3日」


...何が? ああ10日の話か。


「約束」


...そうだな。約束は守らないとな。


「始まるよ」


...始まる?


「あと3日」


...寝るか。

俺はベッドに潜り込む。


「今日は、サイレンを鳴らす車がやたらと多かったな...」


隣町では何やら市民の暴動があったらしい。

恐ろしい世の中になったもんだな。


「あと3日」


「...お休み~」



20××/01/08 ??


俺はカレーを食べに来た。


「iら※※※imあ※e!」


...黒い何かが喋りかけてきた。

...多分人間だ。

大盛りのカレーを注文する。


「k※shi※※mり※※tあ」


...ちゃんと言葉は伝わっているのだろうか。

料理が届いた。


「...なんだこれ」


赤黒い泥のようなスープに、謎の動く肉塊が浮かんでいる。

...ひどい匂いだ。まるでヘドロだ。

俺は一口食べてみる。


「げぇっおえっ!?」


...これは無理だな。

吐き気を堪えながら、俺は店員に料理を持ち帰る事を伝えた。


「...町の様子がおかしい」


いつもの幻覚だろうか?確証が持てない。


スーパーにやってきた。

今日の晩飯を買おうと思ったからだ。


「魚の腐ったような匂いがするな」


店内の壁には赤黒い肉のようなものが付着している。

しかも、人間と肉塊のようなものが争っていた。


「...勘弁してくれよ」


俺は買い物を辞めて自宅に帰る事にした。

本当にどうなってるんだ。


「俺は、頭がおかしくなったのか?」


...答えは出なかった。

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