竜姫様の怠惰な時間

夏沢とも

第1話 さあ今日もレッツ!怠惰タイム!


 これは、とある城に住む竜族を背負った姫王と、異世界から落ちてきた記憶喪失の青年の物語。


「つーかーれーたーー!嫌じゃーー!もうだめじゃー!……妾、疲れた……」


「なら休息しましょう姫様。スイーツの時間ですよ」



 **




「んーーーっ♡美味じゃあ!やはり、妾の城のシェフは有能じゃ。こんな美味しいものを作ってしまうとは!」


 15、16歳ほどの少女が、ぬいぐるみやふわふわのクッションが設備されたファンシーな部屋の中でゆるーくベッドに寝転がりながら、バニラアイスを頬張っていた。


「んふふっ♪はーむっ!!」


 頬が僅かに照り、幸せそうに、美味しそうにアイスを頬張る少女。

 頭からは2本の長い角が生えている。


「お気に召しましたか?姫さま」


 ゆーるい雰囲気の青年が、ゆーるい服装をして、少女の横で共にアイスを頬張りながら、少女にお味の方を尋ねた。


「うむ!!美味じゃあ!!そちにも礼を言うぞ!そちの、イセカイ?の知識には驚かされてばかりじゃ!!」


「ありがとうございます。姫さま」


 少女の嬉しそうな顔を見れば、

 青年はゆるーく微笑んだ。


 少女はアイスを食べ終わると、うさぎのぬいぐるみを抱きしめてベッドをゴロゴロと転がる。そうやって、ふわふわのベッドを大いに満喫するのだ。


 少女がのびのびゆるゆるごろごろとしてる様を、青年は、微笑ましく見守っていた。


 執務を切り上げ、何もせずに、アイスを食べて、ごろごろして。


 ああ、なんて素晴らしき怠惰な時間。

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