第3話 これは友達と呼べるものですか?

なんとなく流れに任せて、とりあえず入学式は終わった。

はぁ、疲れた。慣れない環境で、居心地の悪さを感じているのもあるよな。机にもたれてぐったりしていた。

「あ、あのっ」

声がしたので顔を上げると、隣の席の例のショートカットの女子が俺を見ていた。

「何?」

そいつは一度目を逸らして、呼吸を整えてからこちらに向き直った。

え、何?マジで何?

「とっ、友達になりませんか!」

えっ、突然すぎね?

「と…つぜんだな…なんで?」

(勇気を出して声をかけている相手に疑問を投げかけるのは失礼です。やめてあげて…)

戸惑っている様子。いや、理由も無しに話しかけてんじゃねえ。(←悪いのはおまえだ)

「え…と、友達に…なりたいです。私、勉強がニガテで…西口くんは勉強が出来ます。教えて欲しくて…」

なるほど。真面目そうね。

「いいよ。」

そういった瞬間、クラス中がこっちを見た。皆ありえないと言いたげだ。は?(彼は友達作る気ない認定を受けています。)

え?な、なんですか?俺が友達作るのってダメなんですか?

ここは空気を読まずに…

「宜しく。名前は?」

(←名前も知らないくせに友達とか言ってる馬鹿)

「はい、相模 菜奈(さがみ なな)です。宜しくお願いします!西口くん。」

!…かわいい。

「…これ、惚れたでしょ。」

「え。」

不意に上から図星を指されて、見上げると、さっき相模さんと話していたツインテールの女子がいた。

「私は、北条 桃音(ほうじょう ももね)。菜奈とは幼稚舎からの幼馴染なの。宜しく、西口くん。」

なんか、すごい上から目線だな。ちょっと苦手かも…←図星の恨み

「宜しく。」


そんなやりとりの途中から、全く周りを見ていなかった俺は、皆が俺を恨めしそうに見ていたことを知らない。もちろん、2人がこの学校内で2TOPの人気を誇っていることなど知る由もなかった。(ちなみに、コイツは全てを知る由もない。というか、興味もないらしい。そんなんだから、友達できないんだよ。by龍斗)


友達できた!(女子だけど。)これは、龍斗に報告だ!一人でも大丈夫だろ?俺!

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