第24話 敵
波打ち際に立つアキラが居た。
「おい! 出て来いよ。来てやったぞ。待っていたのだろう?」
後ろから、
「ああ。待っていたさ。リー! 違うか、今はアキラだったな」
「そうだ。よくも今までコソコソ動いてくれていたな。もう、あの時のようには行かない!」
「なあに、またお前を壊すだけだ」
いつの間にか、私はその人物に抱えられてる! どうして? 今まで智子達と一緒に居たはずのに……?
「おまえーー! その汚い手であゆみに触れるなーー!」
アキラが叫ぶ、凄い殺気だ。
「大事な大事な人だからな? また、奪ってやるよ。壊れてしまえ!」
そう叫ぶと私の喉を刃物が斬る。だが、刃物はパキンと砕けた。
「なら!」
と銃を撃つ。だがあゆみには当たらない。
「何故だ! お前がやっているのか!」
「諦めろ。おまえには無理だ。あゆみに傷を付ける事など出来ない!」
敵が一瞬怯んだ隙にアキラは私を自分の腕の中に戻す。
「悪かったな。怖い思いをさせた。さあ、智子達の所に戻れ」
私は智子達の所に戻る。私が現れて直ぐに智子が泣きつく、
「ゴメンね……私が手を離したから……」
「大丈夫よ。心配ないから」
敵とアキラが睨み合う、
「これで、おまえは終わりだー!」
アキラから放たれた炎がその人物に向かう、その人物がテレポートで逃げようとしているようだが、出来ないでいる。足元には、狐と麒麟がその足を捕まえている。
炎は逃げ惑う人物を追いかけるように狙って進む、男は炎に包まれた一段と強く燃え上がる炎、その人物は断末魔を上げ、そして倒れた。黒焦げになった身体に風が砂浜の砂でその姿を隠す。それを見届けたアキラはマスターの所に戻って来た。
「終わったよ」
その言葉に皆が安堵する。
「後は、あの後ろに居る本体の様子を見て来るよ」
そう言って消える。太陽がやれやれと言う顔をする。
「相変わらずタフだよな。今戦って来たばかりなのに……そういう所も前世と変わらないな。何処に居ても駆け付ける。どんな所に居ても……」
……そう、あの時も部下に呼ばれたのだ……その一瞬の隙にティアーヌ姫は狙われた。
近衛兵だった俺がもっと気をつけていれば……いや、もうよそう。あの時は皆、精神攻撃を受け錯乱状態だった。だが今回は違う、側に居たのに……連れ出されるなんて、俺は……俺は、なんて弱いんだ……太陽は握り拳を強く握る、そして自分の唇を噛む。
大臣の所にアキラは来た。そして報告をする。
「地球に居る敵の頭は倒しましたよ。大臣ジェット機に乗せて欲しい。確認がしたい」
「分かった。直ぐ連絡しよう。待機しているはずだ」
大臣は電話をかける。アキラの顔を見て言う。
「府中基地が近い、行けるかい?」
「大臣、誰に言ってるんですか?」
皮肉っぽく言う、
「空を直ぐ飛べますか?」
大臣は笑って言う。
「ああ。もちろん直ぐ飛べるよ。連絡はした、待っていると言ってたよ」
「ありがとうございます。行って来ます」
アキラは飛んだ。そこには、航空自衛隊員がズラッと並んでいた。アキラが突然現れたのに動じない。全員がアキラに敬礼をする。
その中から隊長らしき人物が出て来て敬礼しながら言う。
「直ぐ飛べます!」
「有難い、お願いする! どれに乗ればいいですか?」
「ヘルメットなど付けて頂きます。一応規則なので」
「大丈夫、要らないって言うと困るのだよね。分かりました。お借ります」
ヘルメットを付けて操縦席の後ろに乗り込む。アキラを載せた戦闘機は空へと飛んで行く。
「あれが、『英雄』ですか」
隊員達は空を見上げて言った。空にはそれが浮かんでいた、ジェット機はそれを下に見ながら飛んでいた。
「アキラさん、もうすぐ沖縄です。日本の空はおおかた飛びましたが、まだ飛びますか?」
「ありがとう、一度降りよう」
「了解です」
基地の戻る。おかしい見当たらない。もっと上か? ‥‥‥ アキラは考える。そんなアキラの姿に隊員達が何故か緊張しているのが分かる。
「ありがとうございました。空って気持ちいいですよね」
キラキラした笑顔で隊員達に話す。そこでさっきの隊長らしき人物が、
「君の事を知らないメンバーもいたからね、話しをしていたのだよ。悪いな勝手に個人情報をペラペラを喋ってしまって」
すまなそうに話す。
「いいですよ。もう殆ど皆知っていますからね。それに、総理何かからは、もの凄く色々聞かれましたよ」
隊員達がほっとしているのが分かる。レーダーには映らないだろう、それなら衛星からならば分かるかも知れない。体調に聞く。
「衛星は何基ありますか?」
「それなら、NASAに行くといい大臣に話しておく。地球を頼むよ」
全員に敬礼をされ見送られる。歩きながら考えるNASAか? ポールに聞いた方が早そうだな。と、テレパシーで聞いてみる。ポールも同じように探していた。なかなか見つからないらしい。これで地上戦になったらまずいな。ポールは大統領から軍を任されたようだ。ポールの所に行くかな。アキラはアメリカに飛んだ。
アキラはポールの肩を叩いて言う。
「よっ! ポール久しぶりだな?」
「来るなら来るって言ってくれ、俺は慣れているが周りが驚く」
ポールの周りに居た全員が一気に後ろに下がった。
「すまん。つい考え込んでいたから」
ポールから、がしっと肩を掴まれ、
「相変わらずラブラブなんだよな?」
「羨ましいだろう?」
満面の笑みでアキラは返した。
「そんな自慢話しする為に来た訳じゃないだろう?」
とポールに言われて、アキラは真剣な表情になる。
「そうだ。ポール、お前達は何処まで情報を集めた?」
「今さっき見つけた所さ。ここに居る」
ポールから見せらたその映像には月をバックにした大きな母船が見えた。やっぱりそんな所にいたのか‥‥‥。
「どうする?」
ポールが聞く、その顔は笑顔だ。
「当然乗り込む」
とポールに言うアキラも笑顔だ。
「アキラなら言うだろうと思ったよ。結構距離あるな。それに、ここ、見えるか? 母船から小さい船が出ている。奴等が来るぞ」
「そうだな。こうなると地上戦のへの準備が先だな」
各国は対策を思案する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます