突然ですがお姉ちゃんです01

//背景:リビング

//登場:メイ_私服


メイ

突然ですがお姉ちゃんです。


//登場:弟_学生服


アキラ

突然すぎて意味がわかりません!


アキラ

なんでうちにいるんですか!?

誰なんですか!?


メイ

知らないのも無理はないよ……。


メイ

だって私、お父さんの隠し子だし。


アキラ

えっ!?


アキラ

俺の姉ってこと!?


メイ

そうだよ。


メイ

小さい頃にお父さんとこっそり

会いに来てたの覚えてない?


メイ

その頃は私も弟だってことは

知らなかったんだけどね。


アキラ

そういえば……時々遊んでくれる

お姉ちゃんがいたような……。


メイ

うん、そのあとそっちのお母さんにバレて

会えないようになっちゃったんだ。


アキラ

そうだったんだ……。

生き別れの姉さんってことになるのか。


アキラ

複雑な心境……。


//姉を弟に素早く寄せる


メイ

弟よ! 会いたかった!!


アキラ

うわっ!?

きゅ、急に抱きつかないでよ!?


アキラ

(きれいなお姉さんがいきなり

 抱きついてくるなんて免疫無いよ俺)


メイ

くんかくんかハスハスハス……。


アキラ

ちょーっと!?

何!? なんで匂い嗅いでるの!?


メイ

忘れないようにだよ。


アキラ

犬じゃないんだから!!


メイ

くんかくんかスーハースーハー……。


アキラ

(ヤバい人だー!!)


//暗転_時間経過


メイ

堪能した!


//配置を戻す


アキラ

あの……

本当に俺の姉さんなんでしょうか?


アキラ

(新手の変質者かもしれない)


メイ

そうだよ。

お父さん帰ってきたら確認するといいよ。


アキラ

う、うん……。


アキラ

でもさ、どうして急に?

母さんが会うなって言ったんだよね?


アキラ

どうしてうちに来られたの?


メイ

それは歴史的和解があったからです。


メイ

私のお母さんが蒸発しちゃったから

仕方なく引き取ってくれたんだ。


アキラ

蒸発? 行方不明って意味だよね?

いなくなっちゃったの?


メイ

そう、ジュワッと。


アキラ

いや、その擬音だと物理的に

蒸発しちゃってるでしょう!?


アキラ

怖いから!


アキラ

まあ、でも、事情はわかったよ。


アキラ

でも、あんまりベタベタされると、

その、恥ずかしいというか……。


メイ

ベタベタがダメならピトッとする!


//姉を弟に素早く寄せる


アキラ

擬音変えたってやってること

一緒じゃないか!


アキラ

ちょっと! 待って!

なんで背中に手を入れるのさ!!


メイ

スキンシップだよー。


アキラ

明らかに過剰だよ!!


メイ

こうしてふたりは失われた時間を

取り戻すかのように触れ合うのだった。


アキラ

俺は触ってない!

妙なモノローグ入れないで!


メイ

あ、そうだ。


//配置を戻す


メイ

引っ越しの荷物を整理しないと。


//退場:姉_私服


アキラ

あ……いってらっしゃい。


アキラ

何を残念がってんだよ俺のバカ!!


アキラ

……変な期待して自己嫌悪だ。


アキラ

美人の姉さんがいきなりできるなんて

現実味が無いよ……はぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る