第8話

先生は、少し気分が明るくなったみたいだった。

私の働いている喫茶店まで二人で歩くことになった。

こんなに、近くに居るのに先生は僕の事わからないなんて…

「楽しかったよ、ありがとう。」

「こちらこそ、ムリに連れてきちゃって。」

「また、喫茶店に行くよ。」

「はい、いつでも来てくださいね!」

これは、次の会う約束になるのかな。

こんなに好きだけど、まだ先生には言えない。

だって、ただ側にいるだけでも嬉しいから。

先生を見てるだけでも、私は幸せなの。

私の生きてる価値があるの。

「みんな可愛かったね。」

先生は、ぼそっと言って微笑んでた。

私は、もう連れて行かないと思う。

あの娘達は、女の子だし来てほしいから、どんな手でも使うから、先生がハマらない様に見張ってなきゃ。

喫茶店の前で、「では、今日はありがとう。」

私は、手を出して握手をせがんだ。

先生は、片手で軽く握手してくれた。

恥ずかしがって、直ぐに背中を向けて歩き始めた。

「先生、また明日ね。」

先生は、後ろを向いたまま、うなずいた。

私は、後ろから走って抱きつきたかったけど、握手の手の温もりを感じて、手の匂いを嗅いだ。

涙が、頬を伝い嬉しくて飛び跳ねてから、歩き始めた。

これからの、人生は先生の為に生きよう、そう思った。

私には、それしかないから。

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