第3話

私は、お金を稼ぐためにホストクラブに働いた。顔は小顔で綺麗だったから、すぐ大口の顧客が5人も出来て次の月にはナンバーワンになった。

別に、仕事でやってたから女子(じょし)とデートしたりセックスしたり、何でもなかった。優しくさえすれば、あっちが勝手にのぼせ上がる。

それから、いろんな男にも身を売った。

ホストしながら、休みの日には飲んだくれてた。それも、女子の格好をして飲みに行ってたから。男にも誘われて。

ホテルに入れば関係なかった、男でも女でも私は私で。

女になりたくてじゃない、先生に愛されたくて、そうしてた。

ただ、それだけだった。

それしか、考えられなかった。

22才の時に韓国に言って女になった。

先生は、ずっと同じ家に住んでいた。

僕は、近くの喫茶店で働き始めた。

先生がよくコーヒーをそこで飲むって知ってたから。

その日の、夕方先生は来た。顔も見ずに僕に「ブレンド」っと頼んだ。

僕は、ブラックって知ってたけど「ミルクは?」と聞いたら。

「いらないよ。」って、だからわざとミルクを持っていって、テーブルにこぼした。

真っ白なミルクが、僕のアレみたいにこぼれた。

もう、僕は女の子だけど…。

先生は、僕の顔を見つめた、ハッとした顔をしていた。

僕は、少し微笑んでから「すいません。」と言ってテーブルを拭いた。

先生は「ありがとう。」と言って、僕にみとれていた。

僕は、知らんぷりしてカウンターに戻った。

先生は、その後何度も僕を見ていた。

僕は、知らんぷりをしていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る