第2話【歴史・神話】始祖サルマルドの建国紀

【始祖サルマルドの出国紀】


 最初の人類カイマルドは、人々や獣たちに推戴され、最初の王にして神官になった。それから七代目のカイムルウの御代になった。カイムルウは立派な資質を持ち、王として正しき祭り事を為し、人の世は大いに栄えた。人々は飢えること知らず、安逸の中で生業を全うしていた。

 ある日、カイムルウは此の世で最も美しき乙女を見染めた。その名は、シャーマーラーンと云う。シャーマーラーンは美しく、賢かった。カイムルウは彼女を后に立てた。彼女の謂う通りにすれば、祭り事は全て巧く行った。やがて、カイムルウは悦楽に身を沈めて堕落し、祭り事を顧みなくなった。

 カイムルウとシャーマーラーンの間にサルマルドと云う息子が生まれた。サルマルドは強く賢く、正しく美しく育った。シャーマーラーンは自慢の息子を溺愛した。やがて、自分の息子に邪な恋心を抱くようになった。シャーマーラーンは、快楽にうつつを抜かして腑抜けになったカイムルウを弑逆して、息子を王に立て、自ら后になろうと考えていた。


 カイムルウは母親の企みに気が付いた。シャーマーラーンの企みを拒むことは出来ても、実の母を討つことは出来なかった。拒んだら拒んだで、母親によって罠に陥れられることは目に見えた。悩みに悩んでいると、オフルマズドが顕現した。

 オフルマズドはサルマルドに告げた。

「嘗て賢かったカイムルウは、魔女シャーマーラーンに唆されて愚かになった。お前がシャーマーラーンの言う通りにすれば、お前が魔王となろう。お前が魔王とならずとも、他の者が魔王となろう」

「輝ける光の神よ、どうすれば魔王の出現を防げるのでしょうか?」

「お前の母、シャーマーラーンを討て!」

「私には出来ません」

「どうしてじゃ?」

「人として、どうして実の母を討てましょう?」


「なるほど、お前には討てないだろう。お前の心では母を討てない。お前の力では魔王も討てまい」

「私はどうしたらよろしいのでしょう?」

「もはや、この国は王だけではなく民も腐ってしまった。しかし、未だ心正しき者たちも残っている。お前は心正しき者たちを連れ、遠くへ行け。魔王の手の届かぬ所に逃げよ。お前の行く先は、奇しき鳥セーンムルウが導くであろう」


 そして、カイムルウはオフルマズドの御告げに従い、心正しき者たちと共に国を離れたのであった。


 サルマルドが国を離れた後、シャーマーラーンは再び身籠った。その父は、カイムルウなのかどうかは判らなかった。臨月になり、大きくお腹が膨らんだ。その時、お腹の中の子は腹を食い破って出てきた。その子は母親を食い殺し、カイムルウも弑逆して国を奪い取った。そして恐ろしい魔王になったそうだ。しかし、サルマルドは魔王の手の届かぬ遥か遠くに逃げ去った。サルマルドの子孫たちは、魔王と関わりを持つことは無かった。



【始祖サルマルドの放浪紀】


 サルマルドの付き従った心正しき御伴は六人であった。先ず第一は賢き神官ダニシュマンド・ウズルグパランである。続くは信義に厚い騎士ミフルダードである。第三は勇敢なる騎士シャフレワル、第四は心穏やかな牛飼いバフマン、第五は目ざとい羊飼いシェバーン、第六は巧みな鍛冶師アーハンガルであった。

 オフルマズドはサルマルドに「お前の行く先は、奇しき鳥セーンムルウが導くであろう」と告げた。サルマルドたちは故国を出てから何か月に七日の間、荒野を彷徨った。しかし、セーンムルウを見つけられなかった。

 サルマルドは天を仰いで嘆いた。

「セーンムルウよ、セーンムルウ!

 我は七か月に七日の間、荒野を彷徨った。しかし、お前を見つけられない。

 セーンムルウよ、セーンムルウ!

 お前は何処にいる?」

 賢きウズルグパランは、サルマルドの嘆きを耳にして答えた。

「我が君よ!

 向こうをご覧ください」

「天を刺すような高い峰々が見えるな」

「あれこそはセーンムルウも越すに越せぬ、高く聳えるハルボルズの峰々です。セーンムルウは、あの高き山並の岩肌に巣作りするのです」

「ならばハルボルズの麓を目指そうぞ!」


 サルマルド一行はハルボルズに向かい、その麓に辿り着いた。天の高みに一羽のセーンムルウが羽ばたくのが見えた。一行はセーンムルウを追った。セーンムルは南に向かって西寄りに飛んで行った。一行はハルボルズの南の麓を進んでいると、行く手を大きな河に阻まれた。

 空を見上げると、セーンムルウは川に沿って北に向かって行った。サルマルド一行はセーンムルウの後を追って北に進んだ。すると川の上流には大きな湖が有った。湖にはハルボルズの山肌から大きな滝が落ちていた。セーンムルウは滝の上を飛んで、ハルボルズの山並みの中に消えてしまった。


 サルマルド一行は湖の畔に馬や牛、羊を休ませて水を飲ませた。

 すると目敏いシェバーンが、サルマルドの前に跪いて申し上げた。

「我が君よ、お許しいただけるなら、申したき儀がございます」

「申すがよい」

「はぁっ!

 恐れながら、あの滝の上にはハルボルズを越える道が有る筈です。あっし目が一走りして道を探してまいりましょう」

「うむ、善き考えである。思うが儘にするがよい。だが、無理はするなよ。必ず無事に戻れよ」

「ははぁっ!」


 目敏いシェバーンは脱兎のごとくハルボルズに向かい、野生のヤギの様に山肌を登って行った。そして数日後無事に戻って来た。


「おお我が君よ!

 あの滝の上まで綴ら折りの道が伸びています。馬車は越せませんが、馬の脚なら越えられます。牛の脚でも越えられます。羊の脚でも越えられます。

 更にその先には、川沿いの崖に細い道が穿たれています。人一人が崖に這いつくばって漸く通れる幅です。羊ですら通れぬ幅です」

「うむ……」


 すると巧みな鍛冶師アーハンガルが躍り出て、サルマルドの前で前に跪いて申し上げた。

「我が君よ、お許しいただけるなら、申したき儀がございます」

「申すがよい」

「ははぁっ!

 恐れなら、私目にお任せ頂けましたら、大きな鏨で岩を穿ちて道を広げましょう」

「うむ、善き考えである。思うが儘にするがよい」


 その話を聞いた勇敢なる騎士シャフレワルが、サルマルドの前で前に跪いて申し上げた。

「我が君よ、お許しいただけるなら、申したき儀がございます」

「申すがよい」

「ははぁっ!

 恐れながら、私目の力はアーハンガルに勝るとも劣りません。二人力を合わせて岩を穿てば、半分の時間で道を切り開くことが出来ましょう」

「うむ、善き考えである。お前にも任せよう」


 そうして鍛冶屋のアーハンガルと騎士シャフレワルは、大きな鏨を以て岩を穿ちて道を開いた。馬二頭が並べる幅に広げた。そして七日日間掘り続けると、ハルボルズを抜けて広く豊かな牧原に出た。

 そこはハルボルズの山並みに囲まれた十フラサング程の広さの土地であった。ハルボルズの険しい山並みの下は広く豊かな牧原である。その下には豊かな森が広がっている。そして森の下には川の流れる開けた土地が有った。そこには少なからぬ村々も見えた。


「目敏いシェバーンよ!

 よくぞ道を見つけてくれた!

 アーハンガルとシャフレワルよ!

 よくぞ道を広げてくれた!

 いざ我らハルボルズを越えん!」


 そうしてサルマルド一行はハルボルズを越えて行った。羊の歩みは遅かったが、三日もかからず豊かな牧原に辿り着いた。豊かな牧原で、馬や牛、羊たちに草を食ませた。



【始祖サルマルドの討龍紀】


 サルマルド一行は、豊かな牧原にて帳屋を張り、しばらく豊かな牧原で、馬や牛、羊たちに草を食ませていた。

 賢きウズルグパランは、サルマルドの前に跪いて申し上げた。

「我が君よ、お許しいただけるなら、申したき儀がございます」

「申すがよい」

「ははぁっ!

 森の先の開けた土地に村々が見えます。私目が様子を見に行ってみましょう。私目が村々の人々に会って話を聞いてきましょう。もし、向こうに王が居れば話し合ってみましょう。そうすれば無用な争いを避けられましょう。

 もし、向こうに王が居なければ、我が君を王に向かえるように説得しましょう!」

「うむ、善き考えである。思うが儘にするがよい。お前が行けば、お前の言う通りになろう」

「ははぁっ!」


 賢きウズルグパランは、サルマルドの使いとして開けた地の村々に赴いた。数日してから戻り、村々の様子を伝えた。

「おお、我が君を我が話を御聞きください!」

「うむ、申せ」

「彼の地には二十三の村が有り、其々百軒ほどの家から成ります。彼の地を束ねる王はおりませんが、三つの有力な部族の長が寄り合って物事を決めております。一つはアーフーグ、一つはヒルシーグ、一つはゴルギーグであります。

 アーフーグは一番数が多く、元も豊かな部族です。多くの田畑を持っています。アーフーグの者たちは、穏やかで慎み深いですが、あまり強くありません。

 ヒルシーグの者たちは、西の森に住まう樵たちです。少し愚かですが、荒々しく力強いです。

 ゴルギーグの者たちは、東の森に住まう狩人たちです。慎みが有りませんが、とてもすばしこいです」

「それで、彼の地の者たちは我らのことを如何に思っている?」

「彼の地の者たちは、馬を知りません。辛うじて牛を飼っておりますが、羊を飼うことを知りません。ハルボルズの麓の牧草地には関心が有りません。我らが住まうなら、勝手に住めばよいと思っております」

「ならば、この豊かな牧草地で我らは過ごせばよいのか?」

「今は夏草が生い茂っておりますが、冬をここで過ごすのは緊いようです」

「冬は開けた地で過ごさねばならぬか?」

「左様でございます」

「アーフーグの者たちや、ヒルシーグやゴルギーグとは話が付いておるのか?」

「そこが肝要であります。実はアーフーグの者たちは大きな悩みを抱えております。我らがアーフーグを悩みから救えるのなら、我が君を王に迎えたいと申しております」

「ならば我らが力を尽くして彼らを救おうではないか!」

「我が君に御覚悟さえあれば、必ずや彼らを救うことが出来ましょう」

「うむ、ところでどのような悩みなのか?」

「この地を流れる大きな河はデーウロードと呼ばれています。川の中に大蛇の悪魔が棲んでおります。夏になると、暴れて村々を襲い水の中に引き込みます。それを鎮めるために、毎年、乙女を生贄として大蛇の悪魔に捧げております。今年、生贄として選ばれたのはアーフーグの長の一人娘です。羚羊の瞳をした麗しき乙女です。もし、大蛇の悪魔を退治すれば、一人の乙女が救われます。多くの村々も救われます。救われた乙女は、我が君の妃となりましょう。救われた村々は我が君の下僕となりましょう」

「もはや時は無いな。直ちに大蛇の悪魔を討ちに行こう!」


 サルマルドは、賢き神官ダニシュマンド・ウズルグパラン、信義に厚い騎士ミフルダード、勇敢なる騎士シャフレワル、巧みな鍛冶師アーハンガルを引き連れ、開けた地のアーフーグの里へ馬で乗りつけた。

 初めて見る馬に、開けた地の者たちは大いに驚いた。

 アーフーグの長は、サルマルド一行を迎えて礼を言った。

「これはこれは、角のない大鹿に跨る方々よ!

 我らを憐み、お助け下さるとは真に以て痛み入ります」

 サルマルドは答えて言った。

「我らは、オフルマズドより賜りし善き教えを奉ります。

 我らの神は血の生贄を求めません。地の生贄を求める者は悪魔です。

 我らの神は血ではなく、人々が善き行いを為すことを求めます。

 人が善き心を持ち、善き言葉で話し、善き行いを為せば、善き神々の幸つ力が増し、この世は光で包まれましょう。

 人が悪しき心を持ち、悪しき言葉で話し、悪しき行いを為せば、悪しき悪魔どもの禍つ力が増し、この世は闇で覆われましょう。

 我らが大蛇の悪魔を討ち祓うことは、善き教えを奉る者の務めです」

「善き教えを奉る勇者様よ!

 何と素晴らしい教えでしょう!

 しかし、憎き大蛇の悪魔の鱗は硬く、石の斧でも銅の刃でも、傷つけることはできません」

「案ずるには及びません。

 我らは鉄の刃を持っております。鉄の刃は、石の斧を砕き、銅の刃を折り、大蛇の鱗を貫くでしょう。

 もし、貴方たちが善き神々を祭るなら、光の御力は増し、闇の力を祓い、必ずや大蛇の悪魔を討ち果たすことでしょう!

 光が闇を打ち消すことは有っても、闇が光を遮ることは無いのです」


 サルマルドの話を聞き、アーフーグの長と民は大いに喜んだ。そして善き教えを奉り、善き神々を祭った。人々の心を一つにした所で、サフマルドはウズルグパラン等と大蛇の悪魔を討つ算段を謀った。

 大蛇の悪魔は、人身御供を捧げる祭壇に必ず現れる。その場所は、デールロードの小さな中洲であった。人身御供の乙女以外、他に人の隠れる場所は無かった。皆で剣や槍、弓矢で立ち向かえば、必ず討ち果たせると思っていた。しかし、生贄の祭壇に立てる者は一人だけであった。


 いよいよ人身御供を大蛇の悪魔に捧げる番が来た。そして予定通り、生贄となる乙女は小舟に載せられ、生贄の祭壇へと運ばれた。

 アーフーグの長は怒り嘆いて言った。

「何という事だ!

 我が娘を救うのではなかったのか?・・・・・・」

「お父様、何を嘆き悲しんでおられてるのですか?」

 アーフーグの長に声をかけたのは、その娘のアーバーンドフトであった。

「お前は、あの船に乗って生贄の祭壇に行ったのではなかったのか?」

「お父様、あの船に乗って生贄の祭壇に行かれたのは、サルマルド様ですよ。

 私の衣を着て、女の様に装いました。

 女の様に装いましたら、私よりも美しくなってしました。

 お戻りになられましたら、私は喜んでサルマルド様の嫁ぎます」


 サルマルドは小舟に載って生贄の祭壇のある中洲に渡った。女の様な仕草で大蛇の悪魔が現れるのを待っていた。すると流れる川の淀みから何かが現れる。サルマルドは長い衣の下に鉄の剣を隠していた。そして、こっそりと剣の柄を握った。

 水面から大きな頭が現れた。大蛇の悪魔の頭である。二股の舌で舌なめずりしながら、生贄を探していた。

 サルマルドは息を潜めて大蛇の頭が間合いに入るのを待った。


 大蛇の悪魔は舌なめずりをしながら、哀れな生贄に顔を寄せてきた。大蛇の頭が間合いに入るや否や、サルマルドはスパッと剣を抜いた。

 すると悪魔の大蛇の頭は、長い胴から離れた。生贄の祭壇の上に落ちた。悪魔の大蛇の長い胴は、のたうちながら水面に沈んでいった。そして二度と現れることは無かった。



【始祖サルマルドの建国紀】


 見事、大蛇の悪魔を倒したサルマルドは、アーフーグの長の娘アーバーンドフトを娶った。アーフーグの民から推されて王となった。やがてヒルシーグやゴルギーグの長たちも、シャー・サルマルドに帰順して臣下の礼をとった。

 シャー・サルマルド他、ウズルグパラン、ミフルダード、シャフレワル、バフマン、シェバーン、アーハンガル達はエールザンドと呼ばれた。シャー・サルマルドは、エールザンドとアネールザンドの長となった。そして、ハルボルズに囲まれた谷間の地は、エールザンドの谷、エールンドレと呼ばれようになった。

 シャー・サルマルドとアーバーンドフトの子孫たちは、シャフルダーラーンの爵位を持った。代々エールンドレの血を治める主となった。シャフルダーラーンの家はサルマルダーンと呼ばれた。

 ウズルグパランは、シャー・サルマルドの統治を輔弼するビダフシュと成った。また、神々を祭る神官の長モウベドも兼ねた。ウズルグパランの子孫はウズルグパラナーンと呼ばれ、ワースプラガーンの爵位を持った。代々モウベドを出した。

 ミフルダードとシャフレワルの子孫はミフルダーダーン、シャフレワラーンと呼ばれ、ワスプラガーンの爵位を持った。代々騎士たちの長アスワラーン・サーラールを出した。

 アーフーグの長は、貢物を集めて司るガンジュワールとなった。その子孫はアーフーガーンと呼ばれ、ウズルガーンの爵位を持った。代々、田畑を耕す者たちを治めるデフベドを出した。

 ヒルシーグやゴルギーグの長たちは、ウズルガーンの爵位を持った。代々、その民を治めりザンドベドを出した。

 バフマンとシェバーンは、其々牛飼いと羊飼いの長になった。その子孫たちはアーザーダーンの爵位を持った。代々、騎士アスワーラーンを出し、シャフルダーラーンに仕えた。

 アーハンガルは、鍛冶屋と様々な匠の長キローグベドとなった。その子孫はアーザーダーンの爵位を持った。代々、キローグベドを出し、シャフルダーラーンに仕えた。





【解説】


※母親の誘惑

 父を殺すか、母を討つかで悩んでも、近親相姦への危惧はスルーしています。実は「クワェード・ダフ(Xwēdōdah)」という習慣の存在を示唆しています。それをテーマにするつもりも無いので、伝承に痕跡を残すだけにしておきます。ご関心のある方は、それを調べて設定を拡張してみるのも面白いかもしれません。


※六人の御伴

 主従合わせて七人に成ります。「七」とか「六」とかは史実や神話でも好く出てきます。この世界で頻出する常套表現です。聖数と言っても好いでしょう。

 あと、従者の設定を三機能説に合わせて見ました。


※ハルボルズ山脈に囲まれた土地

 ハルボルズとは、古代イランの世界観では、世界の果てを囲む山脈です。それをミニチュア化してみました。ジャムカルドワルやカングデズ、テュルク・モンゴルのエルゲネコンなどを念頭に置いて設定してみました。


※龍なのか大蛇なのか?

 この用語については、アズダハーグの「アズ」、ヴリトラを指す「アス」などを想定します。読者の好みに応じて、龍でも大蛇でも構わないです。


※結末の人名と称号

 無味乾燥かもしれませんが、実はこれこそが話の本題です。国家の制度や組織の別項で詳述する予定です。


※ネタバレ

 この神話は、スキタイの様な遊牧民がハルボルズに囲まれた谷間の国を征服したことを示唆しています。血生臭い戦争も無く、穏便に先住民を支配したと推察されます。征服とか建国というよりは国譲りの話と言っても好いでしょう。また善き神々の教えにより、先住民に人身御供の陋習を止めさせ、啓蒙するという一面もあります。

 所詮は、朧げに伝承された話に過ぎません。支配者の都合の好いように改竄されてるかもしれません。先住民などの立場で、相矛盾する神話も残っているかもしれません。そこには隠された史実が潜んでいるのでしょう。

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