ものすごくしんどかった衆議院選挙
2021年10月31日は、令和に年号が改まってから最初の衆議院選挙の投票日であった。
毎回国政選挙の時期が来ると、週刊誌の記事は『決めつけ記事』が多く目立つ…
それ聞くたびに、ホンマにしんどい思いをするけんウンザリや…
とくに、今回の衆議院選挙に限って言うと前回(2017年)の時と違って、野党より有利・与党より不利の特集記事が『週刊現代』(講談社)『週刊ポスト』(小学館)でケンチョに目立ったと思う。
売り上げを伸ばしたいといよる編集長の気持ちも分からんでもないけど、『自民単独過半数割れ』と言えるコンキョがどこにあるのか…それをきちんと調べた上でかきよんか…と言いとなるワ…
なのでぼくは、週刊誌の記事よりもNHKのニュースウェブのホムペに開設されている『政治マガジン』の方を読んで情報収集している。
ただ、週刊誌の『当落予想』の記事については『もしかしたら…』と思って心配になった。
『週刊現代』の『当落予想』では『自民党の候補者51人が落選決まり…』と書かれていたので『もしかしたら、国会がねじれるか安定した国会運営ができなくなるかもしれへん…』と思って不安になった。
そのように考えるには、きちんとしたわけがある。
それは、今から14年前の2007年夏の参議院選挙のことであった。
この時、野党側がたくさん議席を獲得したことで衆参がねじれた…
衆参がねじれたことは、安定した国会運営ができんなったと言うことや。
私たち国民の暮らしに関係がある年度ごとの予算案が新年度に執行できなくなる…
与野党間の考え方の違いで、大事な法案審議ができなくなる…
そうなると、その年の通常国会や臨時国会は証人喚問やバリゾーゴンを繰り広げるために日程を消化することになる。
そのような国会が2012年頃までつづいたと思う。
2009年に皆既日食で日本じゅうが盛り上がった。
ちょうどその頃に、当時の麻生太郎内閣総理大臣が衆議院解散予告を出した。
そして、解散~総選挙の結果、民主党政権が誕生した。
国会のねじれは解消されたが、『事業仕分け』などの稚拙(ちせつ)運営をしたので、民主党政権は早々とトンザした。
その翌年(2010年)の参議院選挙で再び自公が息を吹き返した。
その結果、また国会がねじれた。
改革開放に大失敗したあげくの果てに民主党内で大分裂が発生した。
2012年冬に、衆議院は出直し解散した。
マヤ暦が0に戻る日の5日前(12月16日)に行われた衆議院選挙で自公が圧勝したので、民主党政権は崩壊した。
その翌日からこんにちまで、国会は衆参ねじれることなく安定したと言うことや。
でも、2007年から2012年までの間国会運営がマヒした原因は、私たち有権者自身が投じた1票は大まちがいだったと言うことは確かや。
ぼくが『モバゲー』のニュースのコメントで『感情的にならずに冷静に考えてから1票を投じてください。』と繰り返し書きよる意味は、2007年夏の参議院選挙のニュースにあると言うことや。
ハナシは戻って…
10月31日の選挙速報番組は、NHK総合テレビで見た。
19時55分に始まってから最初の5分間は『とにもかくにも、衆参がねじれないように…』と願い続けた。
残り10秒のカウントに入る…
20時が来た…
予想の結果…
『自公過半数獲得』…
最初の憂いは消えたが、自民単独過半数がビミョーなのでまだ安心できなかった。
週刊誌の記事だけではなく、(共同通信も含めて)大手新聞各社の世論調査も『自民単独過半数ビミョー』と言う記事もあったので『もしかしたら…』と不安になった。
だけどその一方で『公明党のおかげで過半数獲得できたことに自民党は感謝しなければならない…』と言う考え方もあった。
23時頃、自民単独過半数確定のニュースを聞いた時『ああ、しんどかった~』と思ったねぇ…
ただ、自民党は15議席失った…
立憲民主党も、140議席獲得でさらに上積みされる可能性がある…と思ったら100議席以下に落ちた…
第三極の日本維新の会は、予想よりも4倍超えの40議席台獲得…
…であった。
とくに、大阪府の選挙区で自民党が全敗したことが痛かった…
理由は、日本維新の会の地盤が固いことにあった。
愛知県は、立憲民主党の当選者が極力少なかったと思う。
理由は、連合(労働組合)の母体が立憲民主党支持だが、傘下の労働組合は国民民主党支持が多いことが原因で組織が一体になれなかったことにあった。
とくに、連合が全ト連(全トヨタ労連)から激しい抵抗を喰らったことが立憲民主党にとっては大きなトラウマだったと思う。
(トヨタ自動車グループの最高責任者が自民党支持に動いたことも、立憲民主党敗因の要因に含まれる)
静岡県の場合は、10月24日の参議院補欠選挙で無所属の議員を立憲民主党と国民民主党と連合が支援して当然にこぎつけた。
しかし、静岡1区で立憲民主党・国民民主党の双方が立候補していたことが原因で批判票を集中することに大失敗をこうむった…
その結果、自民党現職の勝利となった。
北海道の選挙区の場合は、麻生太郎氏の『地球温暖化で北海道の米がうまくなった』…と発言したことが原因で、道内で自民党が敗北した選挙区がいくつかあった…
…などの事例があった。
その一方で、テレビなどでおなじみのタレントさんのごきょうだいの候補者については、明暗が分かれた。
タレントの小泉孝太郎さんの弟さんは、みごとに当選した。
石原良純さんのごきょうだいふたりは、東京都の小選挙区で落選した…
比例代表で復活当選を果たしたのは、弟さんの方だった。
あと、水着のグラビア・イメビで有名だった森下千里ちゃんは、宮城県の選挙区から自民党の候補者として立候補したけど、立憲民主党の安住氏に敗れて敗北となった。
他の自民党の候補者も、大物(甘利さんを中心に)小選挙区で落選した。
(一部は、比例代表で復活当選を果たした候補者もおったけど、甘利さんは責任を取る形で自民党の役職を辞任したなどで、相当なダメージを喰らった…)
野党側も、小沢一郎氏や辻元清美氏などの大物議員が次々と落選したことがつづいたので目標に設定していた数字を達成することはできんかった。
四国地方の小選挙区は、香川3区・徳島2区の自民党の候補者が勝利した。
高知1区の現職で、自衛隊から防衛庁長官を務めた中谷厳氏が圧勝で当選した。
高知2区は、元高知県知事を務めた自民党の尾崎正直氏が小選挙区でみごとに当選した。
その一方で、香川1区の元デジタル相を務めた自民党の平井卓也氏(西日本放送の社長さん)と徳島1区の後藤田正純氏は、小選挙区で敗北したが、比例代表の四国ブロックで復活当選を果たした。
後藤田氏の敗因は、自民党の徳島県連内で発生したうちわのもめ事にあったと思う。
平井卓也氏のくわしい敗因は分からないが、おそらくは週刊誌の当落予想で落選すると予想されていたので、その通りになったのではないかと思う。
そういうことで、四国地方でも大物議員の落選による大きなダメージが広まった…と言うことや。
そして、ぼくが生まれ育った愛媛県の選挙区はどうなったのかと言うと…
4選挙区とも自民党の勝利で終わった。
2区(今治市と上島町と松山市の一部と東温市と松前町の地域)は、村上誠一郎さん…
4区(伊予市・砥部町・久万高原町以南の地域)は、元愛媛県副知事の長谷川淳二さん…
…が圧勝で当選した。
愛媛1区と3区は、それぞれ1対1の選挙戦を繰り広げた末に早く決まったところと遅く決まったところに分かれた。
愛媛1区(旧松山市の地域)は、おとうさま(元官房長官だった塩崎恭久さん)の意志を受け継いで自民党から立候補した塩崎あきひささんが圧勝で見事に当選した。
元参議院議員で、Jリーグ・愛媛FCの元主将の友近聡朗さんは落選した。
その一方で、愛媛3区(西条市以東の東予東部地域)はし烈な選挙戦が繰り広げられた。
当確のニュースが入ったのは、23時頃だった。
当選したのは、元四国中央市の市長で参議院議員だった井原巧さんであった。
愛媛3区は、2009年に小野しんやさん(奥さまのおとうさまがフジワラ化学の社長さん)が立候補を断念したので、自民党の候補者はちがう人が立候補した。
しかし、2009年の選挙で愛媛3区の議席を失った。
2012年に自民党が議席を奪い返したが、4年前(2017年)の選挙の時に再び失った。
今回(2021年)の井原さんの当選で、自民党が愛媛3区の議席を奪い返した。
これにより、保守王国愛媛が復活したと言うことや。
3区の当落は、新居浜市の開票状況で決まったと言うてもカゴンではない。
当選した井原さんは四国中央市で、落選した白石よういち氏は西条市で有利になっていた…
せやけん、新居浜市で勝てば愛媛3区の議席を獲得できるという構図であった。
その結果、新居浜市で井原さんがリードしたことにより当確となった。
井原さんが当選した理由は、愛媛県の中村時広知事と東予東部の3つの市の市長さんたちのご支援や、四国中央市の紙パルプ産業界などの製造業や建設業界などの厚いご支援ご声援が後押しした…などがあげられる。
井原さんは、参議院議員選挙の立候補を断念して自民党の愛媛3区の支部長に就任した直後から地域の現状をくまなく見て歩くなどして衆議院選挙に備えるなど、地道にコツコツと活動なされていた。
それが、保守王国愛媛復活の原動力につながったと言うことや。
最後に、今回の衆議院選挙の選挙戦についてのハナシをする。
今回の選挙戦の期間は、公示日から12日間とものすごく短かった…
立憲民主党の枝野幸男代表の『隠す、ごまかす…』と言うて岸田内閣総理大臣や自公政権をボロクソに批判したところからし烈な選挙戦が始まった。
自民党が『成長なくして分配なし』と言えば、立憲民主党は『分配なくして成長なし』とズレた言葉をほざいた。
それ聞いた日本維新の会が『まずは改革が先だ』と猛反論した。
10月24日の参議院補欠選挙で、山口選挙区自民党・静岡選挙区無所属の勝利で引き分け…
そこから、与野党と日本維新の会による選挙戦が激化した。
麻生太郎氏が北海道の候補者応援の演説で『地球温暖化で北海道の米がうまくなった…』と発言したことが原因で、波紋が広まった。
立憲民主党の方も、大チョンボを犯していた。
候補者がコンビニのトイレに行くために選挙カーを路上駐車したことや、公示日前に現職議員が北朝鮮の拉致被害者団体をブジョクする発言をした…愛媛4区から立候補予定の候補者がえげつないつぶやきをツイッターに投稿したなど…の大チョンボがつづいた。
北日本のどこぞの市の市長が連合の芳野新会長のいる前でえげつない言葉を言うた問題もあったしね…
立憲民主党の枝野幸男代表が『まっとうな政治を目指すために政権交代を実現する…』といよるけど、ボロクソに批判するだけでは政権交代は実現できまへん。
自民党も、過半数を獲得できたことと単独過半数を維持できたことは公明党のおかげであると言うことを忘れたらあきまへんで。
…と記して、筆を置く。
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