六千年前の話

 何かはわからないけど、何かに追いかけられている。


 だから必死に逃げた。別に怖いとかは感じてなくて、追いかけてくるから、ただ逃げてるって感じ。


 六千年くらい走り続けて、二年間だけは平和そうなところ見つけた。空中に浮いた木の根っこがグジャグジャに絡んでるような場所だったけど、住み心地は悪くなさそう。


 根っこに左目を絞って水分をあげたら家が出てきた。家具はあるけど他は何もない。

 新しい目も必要だし通りかかった人に聞いたら、近くのお店がお勧めだと教えてくれた。そこで買う目の色は紫が良いらしい。毛虫が出せるからご飯に困らないんだって。


 絶対別の色にすると決めて店に行く。

 色とりどりの目があった。家具は店主の子供が変身してくれるレンタルでお願いして、目は銀色にした。


 次はご飯だ。

 すると道中で遥か下界に人が住んでいるのが見えた。


 久しぶりに中華が食べたくなった。チャーハンがいいな。飛び降りて買おうとしたけど言葉が通じず、無理だった。

 それどころか天界人だと騒がれ捕まりそうになる。


 全員殺して逃げ帰ると、僕の家が合った場所に貴族が屋敷を構えてて、大きな門のせいでそこから先は進めなくなっていた。


 仕方なく野宿する。次に目を買って良いのは二日後らしい。


 でも次の日、巨人が襲いかかってきて貴族の屋敷もろとも根っこは壊されて、天界人は落ちて死滅した。巨人のチ●コが臭すぎたからだ。


 僕はまた六千年走ることにした。

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