『抵抗』

やましん(テンパー)

『抵抗』

 これも、ほらであり、S.F.(ショート・フェイク)である。




 アジア大人民共和国が誕生することになったとき、日本合衆国は、意外な選択をした。


 参加を拒否したうえで、地球ごき連合、地球いえネズミ連合、地球どぶネズミ協会、日本のらねこ連合会、いのしし軍団会、わん連絡協議会、くじら、いるか統合連盟、どくへび連合協議会、ありさん連盟会議、くまさん全国会議、など、各種動物たちと、共同防衛体制にはいったのである。


 アジア人民共和国の幹部は、日本合衆国の北海道全体を、一種の収容施設として、長期的には、日本合衆国の解体を進めたいと思っていた。

 

 それは、本来、各国の壁自体をなくすことが、目的であり、統合ヨーロッパ連盟の、理想型ともいえたのである。


 南北アメリカは、東アジアからは手を引き、ヨーロッパと、中東に集中した。


 これは、返り咲いた、女性大統領、ハナ・フーダ大統領の決断であった。


 ローロシアは、大連合に、半分入っていた。


 しかし、これは、当然、宇宙ごきの、指導者たちの洗脳により、誘導的に、行われたものであるが、その真実を知るものは、少なかった。


 日本合衆国では、まれな、プチ・クーデターが起こり、国民政府が誕生していたのであるが、だれが指導者か、宇宙ごきには、分からなかったらしい。


 日本合衆国国民政府初代大統領は、やましんちの、ごき大将であったのである。



       🐈


 やましんさんは、ねこママの店にいた。


 『やましんさん、ぜひ、新政府の要職について欲しい。』


 出世した、はとさぶろと、ごき大佐が勧誘した。


 『ふにゃら、ふにゃら?』


 ねこママが、代わりに答えた。


 『あと、15年早かったらね。だ、そうです。』



 彼は、こうして、人生最大の出世話を、ふったのである。


 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 


はとさぶろ


 『やましんさん、なんの夢みてるのかな。』



 カウンターで、爆睡しているやましんを眺めながら、ねこママが代わりに答えた。



ねこママ


 『大方、出世しかけた夢にゃん。でも、成就することは、ないにゃ。その気もないにゃん。出世には、縁がないのが、やましんの生きざまにゃん。そこが、魅力なんだにゃん。出世したやましんなんて、役に立たない、燃えかすにゃん。』


       ・・・・・・・・・・ 


           おしまい

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『抵抗』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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