第8話 拓成振り回されて可哀想

「ただいま。」




「舞香?舞━━━香、舞香?」

拓成が、帰って来ると家の中には、

舞香の姿は、無かった。


「舞香ー、舞香ー?」

…。oо○|||ャヴァィ|||


まさか待たせすぎたか?

舞香がスーパーで遅くなったのを

責めたくせに俺は2時間くらい

ツネと喋っていた。


ヤバヤバ

慌てて鍵を取り舞香のマンションへとUターン、しかし帰った様子は無い。


「買い物か?」

舞香御用達のスーパーへと向かい

探し回る。


コロッケか?

また、あと帰りコロッケ販売店へ


ここにもいない。

携帯にかけるが出ない。


もしや俺の、マンションに帰って

来たかも?

また車を走らせる。

部屋の中には、見当たらない。

頭を抱えて座り込む。


もう探す場所がない‼



ハア、上手く行かないなw


仕方なく水を飲もうと冷蔵庫を

開けた?


「ん??ん?ん〜んんアレ?

無い‼

無い‼

ン十万のワインが..無い‼」


あれ?あれ!あれ?れ?

キョロキョロと回りをみる。


リビングのテーブルにコップが見える・・・ワイングラス?なぜ?。

惹き付けられるように近づくと、


««バッ»»


大事なワインちゃんが栓をポンと軽く差し込まれたまま投げてある。



目玉、ビ﹏ヨヨヨヨョン

口、 パッカーン。


ポイ捨て状態の、ン十万のワイン‼。

ガックリ⤵⤵膝をつき項垂れる

中々手に入らないワイン

ワインを掲げチャプチャプと振〃〃



ひゃあーくまーん💦近いワイン

もっと高いワインをバタバタと

見に行く!

ワインセラーの中のワインは無事

ホッとしたものの

ショックのあまり、怒りも消沈‼



まあ、仕方ない、気を取り戻す。

こんな事もあるか‼


半分以上飲まれ軽くなったワインを

抱きしめヨロヨロヨロと立ち上がり


はああアアッと、又項垂れる。

そんな拓成のBGMは 聞いた事の

ナイ雷のような高音質

キョロキョロ



ぐーZzz‥ᐝ

が━━━━━━━Zzz

ぐぉ━━━━━━━…💤

が━━━━━ゴオオオォォォォ


ん?ん?ん?聞きなれない音



シーンとした室内にリズミカルに

響く騒音‼


拓成は、音を👂辿って歩きだす。


な、なんだ?


舞香は、鼾をかくのは知っていた。

じ━━━ちゃんが

舞香とバーちゃんがお昼寝して

いた時に、どこの男と寝てるんだ

と浮気を疑い寝室へ乗り込んで

来た時寝ていたのは

舞香だった。

飛び起きたバーちゃんは大笑い。


そんな話を聞いていても

舞香は、おっさんレベルのイビキだとは夢にも思っていない。


ん? なに?なんの音?

初めて遭遇する舞香の鼾の激しさに

拓成大好きな舞香の鼾だと

気付かない‼


昔見た怪獣映画を思い出させるよう

な、それは土深い穴の中からでは

無く、拓成のベッドの下から聞こえて来る。


リズミカルな騒音


グ━━━━━━━━ガォガ

ガ━━━━━━ガガガ

グォ━━━━━━━━ガオガガガ

ガ━ガ ンガ ンガ ガ━━━━


すぴぴぴぴ、

すぴぴぴぴ


グワー

ン、ガッ、ンーガッガッ‼


それは激しく繰り返しながら響く!



恐る恐るベッドの下を覗く。


ドロボ━━━か?

誰だ?


何故か俺のお気に入りのコート発見‼

コートの端っこをツマミ引く


スルスルスルー

華奢な舞香がでてきた。

バックを枕に...ぐっすりと、〃むにゃむにゃ‼〃幸せそうな笑顔をみせて、



ヤッパリ舞香が呑んだんだな!

舞香の口からほのかにワインの

香りがする。



「そりゃそうだ‼ン、十万のワイン

飲んで眠ったんだから..

現行犯だな‼

舞香の夢は高くついたんだろうよ」


騒音は、暫く止まったが又


ウガー

ぐー

がー

ぐー

がー

ウガー


「はあああぁぁぁ」

拓成は、ペタンと座り込む、

舞香の横向きの顔は

綺麗な耳と項、流れるつやつやとした

髪・・・。


ワインの文句も、こんな可愛いい姿

目にしたら言えなくなる。


寝込んだ舞香にチュッ、キスをする。


グオーガッ

鼾の音が変わった、 なぜ?


ん、ムニムニ

ん~アファッと背伸びをした後

パタッ、力を抜く。

そんな仕草を眺めながら起こさずに

ベッドに抱え入れようとした時、

舞香が目を覚ました。




━━━バチッ( ꒪Д꒪)ヤバ…━━━━━

な、顔をむけられバチ目があった。


━━━━(ʘ╻ʘ)!オおゥ‼━━━━

俺は軽く挨拶?


「えへへ

寝ちまった。」


バッの悪そうな顔をして、俺を見る

舞香‼

暫く時間が止まる。


🍃


「ねえ、舞香‼

聞きたい事がある。」


舞香は、キョトンとしながら俺をみた。

拓成は思い切って舞香に告る決心

「俺の事、どう思う?

俺は舞香の気持ちが知りたい。

返事次第でどうなるか分からないけ

ど。」


今の舞香に取って拓成は、

彼氏そのものだった。


「返事次第でどうなるか

分からないけど。」


けど...けどってどうなるの?

軽い疑問が舞香の好奇心をそそった。

舞香の悪い癖が頭をもちあげた。

けどって?どうなるかわかんないの?

舞香も、どうなるか分からないって

言う拓成に興味津々


好きと違う返事をしたら

”どうなるの?”


(‾᷅👄‾᷄)

「ん~頼れるお兄ちゃん。ってカンジ?」


««««ガーン»»»»お兄・・チャン

ショックの余り舞香をベッドに

落としてしまったボトン。


ボヨヨヨョョョン

ボヨーン

ポン

ポンポン

さっき確かめたスプリングと同じ。



!(꒪╻꒪|||SHO━━━━━━━CK

「ご、ご飯作るから寝ててい..

いから。」

パタンと軽い音を立てドアが閉まった。


「ああ、あーなるのか‼」

舞香はフラフラと寝室を出る拓成を

見て呟いた。


食事中も、元気がなく、ビールばかり

飲んでいる。テーブルには

ビーフシチュウ

ポテトサラダ

パンor炊き込みご飯

ローストビーフ

ピクルス


何故かプリン。

「五十嵐さん。食べないの?

すっごーく美味しい。」

ニッコニコ


「ああ、そう。お兄ちゃんの作る

料理褒めてくれて・・・」

続きも喋りたく無いくらいSHOCK

受けてるのが分かる。


舞香の箸がとまった。

ビールを飲んでいた拓成の手も止まる

同情でもいい、舞香、俺を好きと

言ってくれ、ウルウルした目を

舞香にみせたら脈アリ?


と期待したが

箸をスプーンに変えただけだった。


「ハアーッ‼」

とまた深いため息が何回もつづく。


「あーそうなるのか?」


ポッリと呟く舞香の言葉に

ご5本目のビールをあけながら、ん?


「ヤッパリさ‼

彼氏の料理サイコー。」



「ん?」


ビールを飲む手が止まりチラッと

舞香をみる。


ふ うふうふはふはふ

言いながら舞香の食事は、止まらない。


「舞香?舞香は俺の事

彼氏って言った?」


「ウン。ソだよ。」

コクコク


「じゃあ、さっきなんで

言わなかった?」


「だってぇ、どうなるか

知りたかったカ.ラ.‼」

エヘヘヘ


酔いも手伝って怒り浸透‼

ついでにワインの怒りも爆発‼


バーーンとテーブルを叩き立ち上がり

⋘タクシー呼ぶから食ったら帰れ‼‼⋙

そう叫んでいた。


バンッ、ガタッ

椅子を蹴り寝室へ閉じこもった。

バシッ‼ドアも思いっきりの力で

しめた。


舞香は、ビックリして

ハッハッ、ハツハツハツ ガタッゴロン

何か椅子から落ちる音が拓成の

耳に聞こえた。


バターン‼


俺はベッドに倒れこんでいたが

様子を見るため立ち上がる。


舞香は何とか息を整えながら胸を

抑えて、苦しそうに俯いて。

ハッハッハッハツ‼

と、又苦しそうな息遣い‼


俺はビックリして


「どーした‼

どーした、舞香‼まいか‼」


袋を取り出し、

「ゆっくり、ゆっくり

呼吸しろ‼」


そうそう上手だ‼。」

舞香の呼吸が普通になるとホッとし

た。



髪を撫で背中をさする。


「ごめんなさい。

大きな声聞くと固まっちゃって

ご馳走様。」


俺は又ホッとしながら

「ベッドに横になりな‼」

そうすすめたが帰る‼ と言い出

した。


気まずい雰囲気に舞香を止める事が

出来ず、仕方無くタクシーを30分後

に予約した。


俺のランクは

頼れるお兄ちゃん。

私の彼氏

怖いお人


に成り下がってしまった。


少しウトウトし始めたらゴソゴソとベッド下から音がした。


暫く気付かぬフリしていたら

「あったァ!」

と声がした。


薄目を開けて覗いていると

舞香は、ピンクのパンプスを

抱え通過。


その時気付いた。

あれは酔った勢いで寝てたんじゃなく、隠れてて眠ってしまったんだ〃

俺を探し回らせて楽しんでいたんだ

と‼


なんて野郎だ‼

必死で探し回った自分が舞香に踊らされていたのだと可笑しくなった。


「ぷッぶははははー」

パンパンブヒャヒャヒャ

俺は膝を叩きながら自分のまぬけさに大笑い。


ドアの隙間から小さな唇が見えた。


「ああ‼そうなるのかー」

まるで小悪魔の囁きに聞こえてくる

舞香の声。


時々、ズルッ、ズルッ

モグモグ、舞香は

覗きながら食事再開した模様。


タクシー呼ぶのはもう1時間後だ。

キャンセルの電話をいれる。


舞香には、振り回され

付き合っても軽く遊ばれ

本気に思ってくれるのか?

そう思いながら目をつむる。



「五十嵐さん。タクシー来たから

帰る‼

で‼私達の関係ってどうなったの?」


舞香のアッケラカーンとした問いかけに

ムカつきながら応える。



「保留中」

冷たく言った。



「ごめんなさい。

今まで通りでいいの?

またお店にハブりに、来るの?

プリンもらっていい?」


なんで話がプリンで締めくくられる?

微かな疑問をかかえながら..


「どーぞ」

カチャカチャカチャカチャ

と音がした途端舞香はパタンと音を立てて

部屋をでていった。


「ふう〜」


だるい体を起こしてキッチンへとむかう。


冷蔵庫を開けて水を飲もうとしたら..


アレ、アレ、アレレレ


「無い?無い?無い?

俺の好物の

ツネが作ったプリンが..


10個あったはずなのに

1個も無い‼」


「ほ、ほ、保留は、取り止めだ‼

食い物の恨み、思いしれ。


普通持って帰るのは1個か2個だぞ‼

全部、ぜーんぶって、考えろー(怒)」




それから1ヶ月が過ぎ2ヶ月半、

季節は秋終盤。

キャバクラから五十嵐拓成の姿が

消えた。

ミクがNO1なのは拓成のお陰と思わ

せたく、店には、顔を出していなかった。


しかし


五十嵐が手を引いたと聞きっけた

名高き御曹司が通い詰めミクの評判は鰻登り。


今日も違う御曹司がミクを落としに

やってくる。

あの五十嵐拓成が落とせなかった、女


ゲーム感覚も手伝ってかミク指名は

毎日毎日続き売上はかなり上がっていた。


最初店側も上客の彼が、パッタリと来なくなり、ミクに何か不手際があったのかと、心配したが

遥かに超える来客にウハウハ状態。


おバカに見えて才女‼

なんとも可愛らしい見栄え。

ミクの話は面白く客をあきさせなかった。


舞香は、連絡を待っている自分がいる事に、気づいていた。

しかし、怒りっぽい拓成が許して

くれるとは思えず、寂しさを仕事に集中し忘れる事にした。



ある日、テレビ局が取材にくる。

そう店長から聞いた。


ミクの評判を聞きつけたらしく

店も軽い宣伝と思い了承したとの事だった。



リポーターを先頭にテレビ局の

スタッフが入って来た。

「今日は、一番可愛らしい子が揃って いると、男達に評判の━━

”みのり”にやって来ましたー‼


この店でNO1のミクさんに話を

うかがいまーす。」



「可愛らしいですね

さすがNO1‼」


「いえいえ、みんな可愛い子ばかり

ですよ。」


「えーと‼ミクさんには

彼氏いますか?」


「いませんよ。

こっ酷く振られちゃて

フリーです。」


「振られた?」


「はい‼クスクス」


「なんでまた?」


「性格の不一致デスカネぶふふ」


「ん?付き合ってる彼氏さんがいたんで すね。」


「ん?付き合う前ですね。」


「あ~ミクさんが告って振られたん

ですね。

ミクさんに告られた彼

今頃後悔されてますね。」


「いえいえ、告ってないです。

告られて振られちゃいまし

た。」


「ん?告られて?振られた?

告られてなんで振られるん

ですか?」


「まあ、色々」


「なんでー?」


「嫌われちゃいました。」

ぶふふふふ


「何か、やらかしました?」


「彼の部屋で寝てました。

彼、ずーっと私を探し回ってて

私の性格に疲れたんですね

たぶん。ぷふふ



「あ~なんか分かる気がしますね。

小悪魔的な感じしますねぇ

じやぁ今フリーなら

俺 立候補してもいいですか?」


「勿論。彼氏になります(笑)?

つかれちゃいますよ。」


ここでカンペがだされる。



「??? アレェ?ミクさんの彼氏さんから

生電話です。?」

電話が繋がれると


「もしもしテレビ××の西川です。?

ミクさんのカレシ?サン?」


「そうです。五十嵐です。?

お前にカレシ候補は無理‼‼

ミクには、俺がいるから..'」


「え?彼氏なんですか?

ミクサンの??」


「え‼そう..なん?」

ミクは、不思議な顔をズーム。


「保留中、ってたろう。」


「?!??」



「なんか話し合ったが良いみたい

ですね。」


「おーっと前彼さんからも着信有り

まし た。

疑惑の今彼?さん

ちょっとまっててください。」


「こちらはホントの元カレさん。」


「はい。pーです。」

「では別れた、いきさつをどーぞ‼」


「俺が浮気しました。」


「合ってますか?ミクさん。」


「はい。合ってますよ。」


「ごめん。後悔してる

やり直さないか?

ずっと後悔してる。


俺の一生かけて償いたい。」


「無理‼」


「(≧ε≦● )プッ」


「おーっと元カレ撃沈。

なんか疑惑の今彼さん 笑いました

か?。」



「ふふ、ミクは裏切りは、

許さないんですよ。

ばっかだなぁ~⤵浮気なんか

するからだろグフフフ」



「ん、疑惑の今彼さん?

ミクさんとの関係..は、?

その、つまり、普通の恋人と、

つまり、アレの関係ですか?」



「お前頭大丈夫か?

保留中って、聞こえなかった。

関係なんてもってナイ‼。」


「あーでしたよねぇ~

まじな話

ミクは、俺が狙う。

お前引っ込んでろ‼。」

CMに入った途端レポーターの

声が変わった。


「は!?

お前キャラ変わってねー?」


「俺ミクが気にいった。

お前が保留中なら文句言うな‼'」


「おい‼

ちょっと待て‼

ミクは、なんて言ってる。

おい‼

手だすんじゃねーぞ‼


おい、おい、おい‼

なんちゃらアナウンサー‼」


「西川だ‼ちょっと待ってろ

番組終わるから‼」


番組がおわったので業務に戻った

ミクは、

「アレ冗談ですよ」

と西川に言った。

イケメン、アナウンサーの彼が

なんちゃらかんちゃら言い出したので店長出てきてガードを決めていた。


五十嵐拓成の支持だと舞香には、

すぐわかった笑。



今日は早く帰れと七時に店を

ポイッと追い出された。

おかしいな?と思いながら

外に出ると見慣れた青い

車がすーっと横付けされた。


1ヶ月半ぶりに会う拓成だった。

窓が開き、凄みのある顔がジーッと

見る。


相変わらずの凄見のイケメン。


「乗れば‼」


「いやいやいや‼

保留中とはいえ、そんな曖昧な

カレシィ、入りませんモン。」


「ふ〜ん。わざわざ

来てやったのに?」


舞香は前にかかる髪をかきあげながら

ニッコリ。


「もう。五十嵐さんの事

忘れたいの‼じゃあねぇ。」


俺は頭に来て小さな怒鳴り声をあげた。

大きな声は、また過呼吸になるからだ。


「ブチブチ、ブチブチいってんじゃねー早く乗れ‼」

舞香は右左をみながら

「やだ‼」


「じゃぁ、クラクシヨン鳴らす。

パパパー

道を歩いてる人達がふりかえる。

何事か?みたく。


「乗ります。」


即効でこたえる。




車はカーブを曲がり進む。

行き交う車のライトが拓成を

映し出し目だけで、彼を追う。


膝の上で人差し指が

ツンツンツンツン伸びたりはねたり。

又怒られるのでじっと我慢。


「はぁ~⤵」

しかも時々コッチを黙って見る拓成の

ボコッと出た、お喉の喉仏が色っぽい

彼は分かってやってるのか?

時々ニッコリ。


足から肩にかけて、いけない駄目駄目な衝動がかけあがる。

﹏ ゾワン、ゾワン"﹏

“ガブリと行きたい‼“

喉仏

拓成は、

「何?」と不信感を覚えたのか

微妙な顔つきで見てくる。


「あ‼」

と思い出したように叫ぶ‼

「ツンツン、したら許さないから

運転中だからな‼」


「ハイ。」

ワカッテマス。


ツンツンは、何とかおさえこむ。

無理、無理、もう我慢の限界。


バンパイアと化した舞香は拓成の

お喉を見据え、飛びかかろうと身をおこした。


車のハンドルを切る拓成の肘鉄を鼻にくらう。

✖➼イテツ「あ‼、ゴメン。」

拓成は偶然舞香に肘鉄を食らわせ


「大丈夫か?なにしてるん?」


( ; ̄ω ̄)ゞイテテ・・・「え?別に‼」


車は駐車場に入り

人気店の前で止まった。


「大丈夫かぁ〜あ~あ‼

美人が台無しだ。」


拓成が顎を心配する。

鼻なんだけど...


拓成の、お喉が目の前にちらっく。

チッ‼

舞香の舌打ちに拓成は、エッと振り

替える。

まさに獲物を逃した舞香は次の

チャンスを狙う為に、愛想良く笑う。



「 エヘヘヘ..痛かった」

キャバ嬢らしく可愛く可愛く‼



彼は仕事帰りなのかスーツ姿!

一方舞香は、Tシャッとジーンズ姿だ。

化粧も落としてほぼスッピン‼

化粧してると顔が重い


化粧でかくれていた、あどけなさが

拓成のハートを又鷲掴みにしていた。


「こんな格好だしココ

ドレスコードのお店じゃないの‼」


「いや!大丈夫。」


「でも‼」


拓成は、お構い無しに入っていく

仕方なく後を追う。


白い襟立のカッターシャッに黒いリボンのネクタイ。

黒の膝下までのエプロン。

髪はきちんとワックスで固められ

ピンと背の伸びたスタッフさんが案内してくれる。

身長が高くイケメン。



お店に入ると産地の写真と

瑞々しい野菜の並んだ上品な

籠がある。

大きな竹で編んだ雰囲気ムンムンな

入口。



席に通され 座るがキョロキョロ。

何となく舞香のせいで浮いた感じは、隠せない。

みんな正装っポイ。


さっきのスタッフさんみたいな

同じ人と見間違うような人物が何人もいて御客に対応している。


拓成は、メニューをひろげ、注文している。


なんちゃら、かんちゃら

なんちゃら、かんちゃら


舞香を見てニッコリ


「で‼いい?」


舞香はウンウンと頷き


「な〜んでも食べるよ。」

ニッコリ

本当は、何を頼んだかわかんない。

しかし..見栄張ってわかったフリ

これが中々つかれるんだなぁ〜。


「私塩サバ定食食べたい。」

小さな声はジャズのトランペットに

消されてしまった。




















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