第3 モテ期再来



舞香の近くでキャーキャー言ってた女子達も手を大吾に向い

ブンブン、バシバシと手を振り返した。


舞香は、目には当たるし髪は乱れるし散々な目にあった。


「ギャャャヤ大吾が

私に手を振ったー」


「大吾がぁ、私を見たー‼

キャーーーッ♡」


「ちがぅー私に笑ったぁぁぁぁー」


大吾に向けて振られる手が

バシバシバシバシ


容赦なく舞香の顔に背中に

ぶりまわされる。三人の人気は

この地区予選大会が放送されてからと言うものは凄みがあった。


マネージャーも、4人

それ以上の押しかけマネージャーも

いたが、監督が追い出していた。


大吾、直樹、祐一のシュートが次々

と決まり勝ち上がった。



いよいよ決勝、勝てばインターハイ

へと進む。

試合がテレビ放送されてから

舞香と大吾は、教室でしか会えなく

なっていた。


大吾の周りには女の子が取り囲んで

よりつけない。



そんな2人を焦れったく思った仲良しの由美が、一緒に大吾の練習上がりを待とうと言いだした。


舞香は、由美と暫くカフエに行き

パフェを食べたりタピオカを

飲んだり。


本屋によりマンガよんだり、

久しぶりの放課後を楽しんだ。


練習が終わる頃学校に戻り体育館へ

由美と舞香は連れ立って

行ってみた。


1年生のマネジャーが大吾に飲料水を

手渡していた。

先輩、先輩と甘える姿は可愛らしく

その子に見覚えがあった。


大吾と女の子は、更衣室の入り口で

待ち合わせをして、2人で寄り添う

様に駅へと向かって歩き出した。



由美が

「あ、あ、アハハはは、は

あ、あれだよ〜アレアレ

の、乗る電車が同じなんだよ~

大吾ってサー面倒見がいいじゃん。

だから一緒に帰ってるだけだし

舞香、気にしない方がいいよ〜」

フウ



「そ、そっだよね〜

気にしてなぁいってぇ〜」

アハハハ


🍃🌪🌪🌪


気まずい雰囲気が、二人に

流れた。

由美も何か変だと思ったはずだ、

何故なら普通の由美なら


「ゴラァ大吾、ウワキかぁ〜

なにやってんだぁ~あ‼」


って詰め寄るはずなのに

それができない何かが

2人の雰囲気から感じたからだ。



舞香も、由美も、二人の後を付いて

行かなかった。。


そこまでやれば元カノの

ヤキモチ妬きのストーカーと彼女から言われそうだったから。

しかも...彼女は・・・



なんかモンモンとした時間が流れた。


「おはよ、舞香」


大吾は、何食わぬ顔で挨拶をする。

舞香は、目を合わせず


「おはよう…」

テンション低く答える。

舞香の調子に首を傾けながら直樹と

祐一に


「舞香機嫌ワルイんだけど...」



「あれだ、あれだよ。

女の子の日‼」


「あんまりつつかねー方が

良くね‼」


2人の意見に納得して

あまり近寄らず当たらず

触らずで過ごした。



次の日も、コッソリ大吾を待った。


そんな事とも知らない大吾は、

また、あの可愛らしい、あどけない

微笑みに癒されているのか

満面な笑で2人並んで歩いていた。


楽しそうに大吾は、ちょっかい

出したりそれを嬉しそうに


「もうっ、せんぱ~いったらァ。」

彼女は、ほっぺなんか膨らませて

たりイチャイチャに見えなくもナイ‼


駅のホームで彼女が、大吾の腕に手を

からめた。



「大吾、御願い

払い除けてよ~。」



心の中で大吾の良心に訴える

ポイっと、跳ね除けろよ

なんで出来ないのー‼

舞香はイライライライラ


現カノの舞香でさえ、手を繋いだのがつい、この前。



大吾は、でれ~っと、してるように

も、見えたが列車が入って来て二人

は、消えた。

ホームに残った舞香は、自販機で

炭酸水を買い並んでいるホームの椅子に疲れたように座り込んだ。


「これまで...ね。」

舞香は諦めの意を決意した。



「あれっ?」


電車に乗り込んだあとホームを見たら舞香がいた。

「あれ~なんでいんの?

あれっ?」


今のオレの状況はと言えば

後輩、杏と腕を組んでいる。



コレって見られた?

ヤバくないか?


ポチポチポチ

舞香にライ〇を送って見る。



既読「舞香、今ドコ。」



既読

「ホーム‼」


既読

「は?」


既読

「あんたが、女と仲良く

してた‼ホーム‼」



既読

「なんか大きな誤解してねー。」




既読

「誤解?ダイジョーブ‼

誤解してないよー。

たのしそうじゃん。

よかったじゃん

あ‼

家の両親、ウワキで離婚したから

ワタシ無理だワ。」



バイブ音が響く。

何回も、何度も、話出来る状態では

無いので無視。



既読

「電話出て‼

無理ってどうゆう事?」


既読

「出ろ‼」


既読

「無理」


既読

「ちょっと誤解させた。

ゴメン。」



既読

「これ‼

違うからマジでっ!」

既読

「舞香、違うって‼」


既読

「違わ無いよ。

見たまんまだし。

回りくどいのいらねーし。


終了‼〜」

揺れる電車の中彼女はオレにもたれかかって手を握って来る。




俺は慌てて手を離し


「あ‼俺次で下りるから

気を付けて帰ってネ。」

ジャアアネー

彼女に一言告げたあとドアが開くと

バタバタと走り出す。





「え‼あ‼え‼

大吾先輩どうしたの?、」


俺はすぐ飛び下り乗り換えてUターン

体は疲れていたが、舞香の事が気になり誤解を解きたかった。




大吾先輩は...

それまで、楽しそうにしていたのに、急にスマ〇を驚いた目で見た時

笑顔が消えて、オドオドした表情に

なった。



電車が駅に着いた途端出発から

一駅で降りて


「気をつけて帰れよ。」

そう言ったかと思うと

又電車に乗り換え、又Uターンした。


今日落とすつもりだったのに`ε´

...噂で私が彼女って、流れ始めてる

のにあんな女の何処がいいの!


私の方がもっとカワイイってバー‼



舞香の乗る電車なら

まだ間に合うはず‼


右.左.後ろ.前、

慌ててホームにはいる。


見慣れたグレーのセーラ服に白の

一本線、肩にかけた黒いバックに猫

のキーホルダー。

モワモワの飾り物に黒の靴下。


見つけた。

舞香だ‼



「舞香ー、まぁいーかぁ‼」

大きな声で叫ぶ。


舞香を見つけてホッと胸を撫で

下ろす。


早く誤解を解かないと諦める事に

慣れてしまった舞香の心は、閉じて

しまう。


....そしたら、俺から離れてしまう。


必死で、必死で、捕まえた。

舞香は、舞香だけは、絶対離した

くない。


大吾は、舞香の元に駆け寄りながら

付き合い始めた頃を思い出していた。


前、 冗談で聞いたんだ。

「もし俺がウワキしたら

どうするよ‼?」


「え‼エエェェェエエェ」


「浮気するの!?」


信じられないと言わんばかりに目は、大きく見開かれ険しい眼差しを

向けて来た。


「すっ‼す‼する訳無いダロー‼」

少しキョドりながら


「舞香は、

どう思うか知りたかった

だ‼け‼だ‼。」


「あーそうなの!ビックリしちゃ

ったー。

ん〜そーだなぁ

知らないフリして何も言わない。


大吾が好きになった人なら

応援してあげるよ~」


「エッ‼そんなもん?

俺に対してそんなもん?

イライラしたり、文句言ったり

しないのか?


俺に対しての愛情って、

そんなもん?」




俺は不服丸出しで詰め寄った。

お、お、おおっ、と後ずさりながら

舞香は言ったんだ。


「勿論、イラつくし悲しいかも

だけど、離れて行った気持ちって

取り戻せない

デショッ


またかっておもっちゃう。

諦める事には、慣れてるの

黙って離れてあげるよ。


だって‼...迷惑でしょ。

嫌われたく無いから。」


って言っていた。

だから、舞香の心中を

知ってるから早くしないと



舞香の心が閉じてしまう前に‼


下を向いて椅子に座り

携帯をポチポチ触る舞香の腕を掴み、振り返らせた。


「舞香ー‼」

振り返った舞香は(⊙_⊙)驚いた顔をして、目は、まん丸と見開き



「あ...れっ。

どーしたの?

あの子は?

ってか腕痛いんだけどー‼」

舞香は少しムカついた顔をして

言った。


《《《いるわけないじゃん(怒)

俺‼一人だヨ‼(爆)》》》

俺はムカついてホームに響く程

仁王立ちでデカイ声で叫んだ


「あ‼ゴメン。

彼女に誤解された?

私のせい?

ゴメン。謝るから許して‼ごめん。

まさか喧嘩になったの?


邪魔しちゃった?

ゴメンね‼


私謝るから、

明日、ちゃんと謝るから‼」


カタカタと肩を震わせて舞香は、

ブルブルと震えだした。


「あ‼、しまった。」


舞香は怒鳴り声に敏感で、過呼吸

までは、行かないが恐怖に、

おののいた顔をする。


背中を摩り息を整えさせる。

「ゴメン。大丈夫だから..

ゴメン。舞香が誤解してるから

大きな声を出した。


ほら、ゆっくり飲んで..。」


天然水を手渡し暫く座らせ、落ち着

かせる。


「どう?落ち着いた?」


舞香は、コクコクと頷いて


「うん。大丈夫、..


だめじゃない、私の心配なんか..

付きまとった理由じゃないから、

真実が知りたかっただけで

ストーカーじゃないから


ついラインしたけど大丈夫だから


アドレスも、消したし

連絡先も、消した。

安心していいから

彼女にそう伝えてよ。」


ああだこうだと、何故か言い訳

をする舞花に

またキレそうになる。




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