菓子植物園
宮瀧トモ菌
かししょくぶつえん
ここは緑の
その中に男性客が
「菓子植物、って
大きな
部屋を十字に区切るのは
男がキョロキョロしながら歩いていると、向かって右手から
「あのーすみません。お
「はい、どうなさいましたか?」
女性職員は優しい笑顔で対応した。男は質問を続ける。
「入り口に菓子植物って書かれてたんですけど合ってますか? 見たところ変な物もないし、
「あっ、植物園だけに
「いやそんな
職員はニコニコしたまま答える。
「そうですか。
「あっ、合ってるんですか。でも
「でしたら
そう言って職員が案内した先には、地面から
職員は男に「こちらはア〇パラガスの
「
「よくお気づきになられた。事実、この植物は野菜のアスパラとは全く
「いや別にあれアスパラの意思で
「まあ
まず紹介されたのは、ビラビラな袋が金色のビニールタイで
今、目の前にある植物は
「えっ! あのお菓子ってこんな感じで
男は単純に
「しかしア〇パラガスは商品名ですからねぇ。この子達の
「アスパラガスモドキ!」
男は
「あ、ご
「知りませんよ。そもそも植物だったことに
しかし職員はその問いに答えることもなく少々
「え、これ
「はい、製造所が有りますので」
職員は
「まぁ説明はこんなものですかね。よろしければ次に
営業スマイルを取り戻した女性職員が次なる菓子植物へと案内する。
高さは
「この
「いや見ただけじゃ分からないですけども」
「
職員の指さす枝の先には果実が
「
「パイノキです」
「パイノキ?」
「えっ、あのお菓子って
男はまたもや
「逆に今まで
「いやお菓子ですよ! 普通にお菓子という認識ですよ」
「
パイノキの根元には、この植物の基本情報や研究の道筋を
「
男は種類別名称が
職員は
「そちらのパネルにもある通り、これは安定して実らせるのが
「はぁ、そんな歴史があったとは知りませんでしたけど……」
「
男は「へぇ〜、植物のプロでも難しいんですね」と言ってパイノキを見上げた。
「他にこの木の
「え、期間限定ってそんな理由で決まってたんですか」
「あ、ご
事実、菓子植物は未知の雑学の宝庫である。
「……でもそれだと定番のオリジナル品種はどうやって
「
「はぁー、商品は
職員は
「じゃあこの木もお菓子になるんですか?」
男は向かい側の木を指さした。その樹高は人の背丈ほどで、枝葉が
職員は「はい。この枝がお菓子に加工されています」と言って手を伸ばし、紅白カラーの
「
切断面から
「それは
「あ、チョコって
男は次第に
「この木にはですねぇ、秋から冬にかけて樹皮下のチョコ
「
「いえ、実際の工程は落葉したら
「へぇー、そうだったんですかぁ」
「あ、それクーラーボックスだったんですね」
「はい、他にも
職員は
「これはアイスノキです」
「うわー
男は目を
「これは
「あ、ア〇スの実って輸入されてたんですね」
「一応、品種によっては国産の物もあるんですが……。あっそうだ、もし興味がおありなら
「
職員は「ふふふ、ありがとうございます。まあ宣伝はこれぐらいにしておきまして」と言いながらアイスノキを大きなクーラーボックスに戻し、ついでに話も戻した。
「先ほどの〇枝が
「あぁそうですね。どうせ『き〇この山』ですよね」
職員は「ご
「あれって毒キノコだったんですか」
「
「菓子動物……。でも菓子植物がいるなら菓子動物もいて当然か」
男はブツブツ
「と言っても菓子
「白くまってあの、練乳かき氷の?」
「はい。なんせホッキョクグマは食物連鎖の頂点ですから」
「あぁ
男はしみじみと自然の不思議を
「生態系というのは様々な生物達の
次第に職員の演説に熱が
「なので環境
「
「そうです。だから
ここで、このコントを最後まで読んだ
完
菓子植物園 宮瀧トモ菌 @Tomkin2525
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