ギャルの生態

 これは、わりと最近の話である。

 

 僕は比較的ニガテなタイプの人間が少ないため、少数ながら過去にお付き合いした女性も色々なタイプがいる。

 

 その中で1人いわゆる「ギャル」に分類される元カノがおり、大学生の頃、数ヶ月だがお付き合いさせて頂いた。

 

「ギャル」というものはたいてい友達もギャルである。そして、なぜかギャルはギャルの友だちをやたらと紹介したがる。

 

 そしてギャルはギャルを呼び、連鎖していつの間にかギャルコミュニティが形成されていくのである。

 

 ギャルというものは不思議に義理堅く、当時付き合いのあったギャルたちとは意外とまだ親交があったりするものである。

 

 僕はいま東京に住んでいるのだが、地元に帰ったときに、親交があったギャルと久しぶりにごはんを食べることになった。

 

 ギャル「久しぶり〜」

 

 ぼく「おー元気だった?」

 

 ギャルは元気そうだ。

 

 ギャル「友達呼んでいい?」

 

 ぼく「別にいいけど」

 

 ギャルの連鎖は止まらないのだ。暫くして、黒髪でちょっと大人しめのギャルが来た。

 

 ギャル友「こんにちは〜」

 

 ぼく「あっどうも…。」

 

 初対面で最初こそ気を遣ったものの、すぐに打ち解けた。聞けば僕の2コ下であり、地元も近いという。

 

 ギャル友「わたしチャラ高受けたんですよ〜」

 

 ぼく「え?チャラ高なんだ!おれんちからめっちゃ近いよ。あそこ通ってたんだ〜」

 

 ギャル友「いや受けたんですけど、落ちました。」

 

「チャラ高落ちた」は地元では結構パワーワードである。あそこフリーボーダーじゃないのか…。

 

 ギャル友「チャラ高おちんのヤバいですよね笑 だから滑り止めでヤバ高行きました。」

 

 ぼく「ヤバ高…。」

 

 ヤバ高はぼくのようなもやし野郎界隈では、激烈ヤンキー高校として有名であった。

 

 ぼく「ヤバ高通ってたんだ…。でもヤバ高基準にしてはちょっと真面目そうだよね?」

 

 ギャル友「そうなんですよー。五体満足で卒業出来るか不安でした笑」

 

 ギャルのボキャブラリーは謎が多い。

 

 ギャル友「ヤバ高は、女の先輩とかも怖くて番格みたいなギャルの先輩が下校時に門の前に立ってるんですよー」

 

 ぼく「へー。なんか服装チェックでもして因縁つけられるの?」

 

 そうではなく声を掛けられて連絡先を聞かれるのだという。

 

 ギャル友「そんで連絡先登録されちゃうと、売春の斡旋されるんですよー。」

 

 とんでもない世界である。

 

 ギャル友「だからわたしは声掛けられないようにいつも時間ずらして友だちと帰っててー。でもある日その先輩と遭遇しちゃったんですよ…。」

 

 ぼく「え、それまずいじゃん」

 

 手に汗握る展開である。

 

 ギャル友「そうなんですよ!だから、友だちとどうしよ…どうしよ…声掛けられませんように…って言いながらおそるおそる門の前まで行ったんですよ。」

 

 ギャル友「でも案の定先輩が「おい、お前たちさ…。」って声掛けてきて…。

 

 とっさに「わたしたち、もうしてます」って言いました。笑」

 

 これがギャルの強さである。

 

 ギャルの生態 完

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