第8話
「は、はやく!逃げちゃうじゃない!おねがい!絶対につかまえて!」
「わ、わかった」
被害者の指さす方に確かに逃亡者が走っているのを確認できた、慌てて後を追うのだが...
え?被害者?あの人が被害者で、今逃げてるのが加害者でいいんだよな?
山崎はあたりまえの事を自分に言い聞かせた。
「は、はやく!」
そう言って山崎を急かす男は中肉中背で髭は伸ばし放題、しかも上下色違いの汚れたジャージを着ていて、まるで...ホームレスの様ないでたちなのだ。
しかも、さきほどから、女性の言葉を使っているので、そちらの方も色違いなのかも知れない...。
いや、別にホームレスで、そちらの方面の方だからどうというわけではないが...同じ市民ではあるし...。
しかし、逃げてる方の女性の方が、遠目にも身なりが良いのがわかる。
紺のタイトなスーツに身を包んでいる出で立ちとそのスーツに見劣りしないプロポーションは、どこかの社長秘書を連想させた。
女性が策のある公園を横断して逃げたので仕方なく自転車から降りて追いかけた。
「ま、まちなさい!」
しかし
一応大声で言ってみるのだが、いまいち釈然としないのか自慢の瞬足も本気を出せずにいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます