第7話 混乱

山崎了は混乱していた...。


この春、念願の警察官になれた山崎は市民の平和を守るべく、せっせと自転車を漕いでいた、そこへ誰かの助けを呼ぶ声が聞こえてきたのだ...。


「だれか!だれかそいつを捕まえて!」


なに?ひったくりか?まかせろ、俺は背丈こそないが、俊足でならした足なら新人研修の時も、みんなから羨望の眼差しで見られたのだ、試験官の方からも

「山崎君はテストはいまいちだが足はめっぽう速いね、うんうん、現場向きだよ。」

と、褒めちぎられたくらいなのだ。


そして、現場に出てまだ1週間にも満たないというのに、この事件じゃないか!


もしも、お手柄という事になったら?


いきなり昇進という事もあるかもしれない!

いや...そこまでいかなくても、かなり印象はアップするにちがいない。


などと内心ほくそ笑んで居たのだが...どうも勝手がちがう...。


なんとも言えない違和感を払拭できずにいた。

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