留年を全力で言い訳する
人と人の物理的な距離を保たなくてはならない時代。インターネットのおかげで「心はそばに」なんて綺麗事だと思うほど孤独を感じる。こうして自分が浮いている内に、他人は磨きがかかって、次会うときには天と地の差がついてしまうことが不安だ。人と関わらない分、勝手な妄想をして勝手に苦しんでいる。友達はもう手の届かないところに行ってしまったと思う。実際、今年SNSで知り合った大学の友達は何度か遊びに行ったが、他に友達ができたので今では何回かけても電話に出てくれない。去年できた友達は大学で知り合ったが、全部で20日ぐらいしか会っていないし私が留年したせいで会わないうちに居づらくなってしまった。留年というのは失うものが多すぎる。信用も友達もお金も優しさも今後の楽しみも。吹っ飛んでしまった。倒れないように頑張って2年間高く積み上げた積み木を台無しにしたときの悲しみに近い。
高校時代の先生は受験生だった私達に
「不安を拭うのは努力しかありません。」
とよく言った。この言葉は忘れられない。高2の秋から受験のために昼休みも放課後も献上した。それで満足だった。合格に向かって努力することが私に自信をつけた。ところが大学に入って努力をやめてしまった。一度達成してしまうと自信を失わないための勉強に変わってしまった。つまらなくなった。
留年について言い訳はしたくない。余計に体裁が悪くなる。自分の進路に露骨な言い訳をすれば、自分の進路選択を後悔していると認めることになってしまう。だから遊んでいた、サボっていたら底に落ちたと言うことで十分である。
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