第8話:一日目・夜
夜。キャンプファイヤーを終えて、風呂の時間がやってきた。クラスメイト達と大浴場へ。二クラス合同で入るため、二組の女子も一緒だ。
「あれ?小桜さん居るじゃん。鈴木くんとお風呂入らないの?」
二組の生徒が小桜さんを揶揄う。王子はここには居ない。個室の風呂に入っている。
「鈴木くんって、温泉とか行ったらどうしてるんだろう。流石に男湯入るわけにはいかないよね?」
「小学生の頃の野外学習とか修学旅行は普通に一緒に入ってたよ」
クラスメイトの疑問に姐さんが服を脱ぎながら答える。小桜さんに視線が集中するが、私はそれより姐さんの身体に見惚れてしまう。主にあのうっすらと割れた腹筋。王子も割れているのだろうか。
「前からずっと思ってたけどさ、二人ともおっぱい大きいよね」
小桜さんの隣に座った
「小桜さんは鈴木くんに揉まれてるから大きくなったんじゃない?」
二組の小池さんが会話に割り込んだ。
「も、揉まれてません!というか、あの子に会う前からあまりサイズ変わってないわよ……」
「えー……でもなんか入学当初より成長してない?」
そう言って小桜さんの胸を指で突く小池さん。思わずガン見してしまうと、姐さんに睨まれてしまった。慌てて身体を洗うふりをする。
「つんつんしないで。セクハラ」
「女同士だからセーフ……じゃないか。鈴木くんに見られたら殺されちゃう」
「……揉むと大きくなるとは言うけど……私のお胸は一向に成長しない……」
自分の胸を揉みながら菊池さんが呟く。
「人に揉んでもらわないと駄目なんじゃね?」
「やっぱそうなんですかね……ゆりちゃん、ちょっと揉んでみて」
「えっ、私?」
「どうぞ」
戸惑いつつも、菊池さんの胸を揉む小桜さん。
「……ここが天国か……」
思わず呟いてしまうと、クラスメイトにきもいなと苦笑いされてしまった。自覚はある。
「そんな急には成長しないだろ」
「というか、揉むと大きくなるんじゃなくて、揉まれて気持ち良くなることでホルモンが出て成長するのではないかと、私は推測する」
「……あー、なるほど。つまりセッ「満ちゃん!」」
何かを言いかけた姐さんの台詞を菊池さんが慌てて遮る。
「……月島さんって可愛い顔して意外と……遊び慣れてるんすね……」
「……遊んであげようか?」
悪い顔をして小池さんを揶揄う姐さん。顔を真っ赤にして固まってしまう小池さん。私も思わず持っていた桶を落とし、足の指にクリーンヒットしてしまった。
姐さんのその一言が気になり、その日は眠れなかった。
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