魔法の売却はできません

 ここからは、茶革鉄骨ソファーx4の納品となります。

 が、ここで1点問題があります。

 現在の所持金は、スフィンクスブル依頼により32,600G。

 来シーズンの営業の食材費のため、25,000Gは残しておきたいので、これだと7,600Gしか残りません。


 白黒革ソファーは1台10,000Gだったので、4台で40,000G。

 ただし今回は、骨組み部を全て自分が材料を用意し、かつアセンブリしたので。

 ジェルソン担当分は、クッションの縫合、及び手すり部の木材のみの作業になります。 

 結果、


「今回は4,000Gで構いません」


 と言うモリタさんの発言となったのでした。

 俺は深々と頭を下げて、代金を支払ったのでした。






 *****






 納入が完了しました。

 ここで、改めて。

 現在の店内の家具の配置状況をまとめさせていただきます。

 入口から見て左側から、


・ブックシェルフ

・茶側ソファーx4、【通常テーブルx2】

・観葉植物、樽

・赤ドラゴンソファーx2、紫ドラゴンソファーx2、1本足木製テーブル

・白ソファーx2、黒ソファーx2、白タイルテーブル、黒タイルテーブル

・フェンスパーティションx2

・【通常イスx4】、【通常4人テーブル】、狼2人ソファーx2、石天板テーブル

・観葉植物、樽


 以上です。


 嗚呼、ほんとうに。

 豪華になりました。

 理想に近づきました。


 モリタさん、ケントさん、村長さん、イノリ、カナエ、タマエ。

 そして納入を手伝ってくれた村民さんも含めて。

 見学会を楽しんでもらいました。


 上記の家具一覧は、紙面上にまとめています。

 俺は、これをモリタさんに見せる。


「見てもらいたいのは、【】で囲んでいる部分です。

 この部分だけ、まだ、初期家具のままなのです」


「この部分も是非アップグレードしたいですね」


「その通りです」


 立ったまま、コーヒーを一口含んだモリタさんが質問する。


「具体的な案はありますか?」


「はい、あります。

 今度はこっちの用紙を見てください」


・【通常テーブルx2】→鉄1本脚テーブルx2

・【通常イスx4】→ドラム缶スツールx4

・【通常4人テーブル】→車輪付き鉄骨テーブル

・【壁装飾】→秘密☆


「なるほど車輪を付けることで、移動が楽な机を作るのですね」


「いいえ、違います。

 あくまで車輪はただの飾りです。

 回転させようとすると難しいので、ただ取り付けるだけです。

 数も2個で、片側のみ車輪にします」


「なるほど、なら車輪の軸は必要ありませんね。

 ちなみに。

 この『壁装飾』、については?」


「こちらについては、ジェルソン様の力を借りずに取り組む予定です。

 楽しみにしておいてください」


「わかりました」


「各項目、全て自分の中に設計図のイメージがあります。

 必要な部材がどこで入手可能かも調べがついています。

 ただ、今は金欠なもので。

 部材購入は次回の喫茶店営業の後と考えています。

 そして。

 その部材、そのうち材料が木材であるもの。

 この作成を、今から、モリタさんにお願いしたいのです」


 ここから俺は、用紙にさらに記述を加える。


・鉄1本脚テーブルx2→木材天板x2

・ドラム缶スツールx4→ 木材天板x4

・車輪付き鉄骨テーブル→ 木材天板

・【壁装飾】→不要です

※各天板、塗装をお願いします。


 続き、その寸法情報も記入する。


「承知しました、タドルさん。

 早急に取り掛かります。

 材料が揃ったのちのアセンブリも、是非ご一緒させてください」


「こちらこそ、よろしくお願いします、モリタさん。

 この4項目が完了すれば、喫茶店としてはひとまず、一旦完成と考えています」


「ついにここまで来ましたね!

 ちなみに。

 その後、展開も考えているのですか?」


「ありますが、今は内緒です。

 ・・・。

 実はですね。

 競合相手となるレストランが現れました。

 その強大な相手に、俺は立ち向かわないといけません。

 これからは、敵との差別化も考えながら、戦っていかないといけません」


「勝利を掴んでください。

 ジェルソンを代表しまして、最大限のバックアップを、お約束します」

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