属性経験値が一定に達すると、中等レベルの魔法を習得できます

・フラン[火]

・アイス[氷]


「魔法って、買えるんですね」


 複数のカードの中から。

 俺が指定した、2枚のカードがカウンター上に残される。


「20,000Gだよ」


「高いですねー」


「一生モノだから、そんくらいするよ」


「このフランの魔法で、チーズを溶かしてるんだよ。

 なので、ヒヨリちゃんも魔法を練習して。

 料理に活かして欲しいんだよ。

 今は、コンロも1つしかないし、オーブントースターもないし。

 ちょっとした加熱ができる、この魔法が、重宝するんだ。

 同様に、ちょっとした冷凍ができる、アイスの魔法も重宝する。

 この2つは、覚えて。

 そして練習しておいて欲しい」


 首を縦に動かしたヒヨリちゃんの胸の中に、2枚のカードが消えていく。

 魔法確認スキルを習得してもらい。

 魔法習得成功を確認してもらった。


 これで、ヒヨリちゃん育成計画(第一弾)は完了。

 本来は、武器防具の購入も行いたかったが。

 いったいどういう『エモノ』が適しているのか悩ましかったので。

 後回し、とした。

 さて、日が暮れる前に、喫茶店に戻ろう。


「ミュウレイさん、ありがとうございました」


「ちょっと、待ちな」


 ミュウレイさんは、無言のまま、一枚のカード。

 その絵柄を俺に見せつける。

 が、距離が遠くて、詳細が確認できない。

 何か。

 伝えたいことがあるのだと。

 ・・・。

 俺は、なかなか答えに行き着けない。

 が、ヒヨリちゃんの一言で、正解を見つけ出した。


「マスターさんは、魔法、買わないんですか?」


「新術!

 覚えられる、ってことですか!」


「正解だよ。

 魔法の訓練。

 今まで、よく頑張ったね。

 今日から、君は、『ミッドウィザード』を名乗っていいよ」


 ここでやっと、カードの詳細を確認した:


・ミッドフラン(フランLv2)[火]


「やった!

 ついに次のステップに進める!」


「40,000Gね」


「高っけぇ!」






*****






「おかえりなさい。

 レベルは、いくつ上がった?」


「23アップして、今、24です」


「魔法も覚えたのね」


「火と氷の魔法です」


「そっちも、『ミッドウィザード』になったみたいね」


「ミエルさん、なんでわかったんですか?

 手品師ですか?」


「こういうのも、天使の能力よ」


「なら、ヒヨリちゃんと俺の異能が、『仲良しだ』、ってことも知ってたんですね」


「その通りよ。

 このまま、結婚しちゃえばいいじゃない」


「私、マスターさんのこと、そういう目で見ていません。

 それにマスターさん、ドールフェチらしいので」


「お前を、蝋人形にしてやろうか!」






*****






 いろいろ忙しく動きましたが。

 ここで所持金確認です。


「人力☆所持金タイムライン機能、実行」


・前回残金 [99,100G]

・白黒ソファー: -40,000G

・ギルド依頼:+42,000G

・ジェルソン依頼:+40,000G

・ワニ皮:+15,000G

・茶ワニ皮なめし:-10,000G

・バーチェア :-10,000G

・バーテーブル:-32,000G

・石天板テーブル:-20,000G [84,100G]

・食材費:-20,000 [64,100G]

・喫茶店売上:+91,650G [155,750G]

・バイト代:-30,000G [125,750G]

・ミッドフラン:-40,000G [85,750G]


 ミッドフランでの消費は完全に想定外だった。

 がしかし、これで再び『家具』のフェーズに移行できる。

 移行できるのだが・・・。


「貯金、ためた方が、いいかなぁ・・・」


「何のための貯金なの?」


「コンロ。

 欲を言えば、キッチンです。

 コンロ数が1つである限り、これ以上の人員はさばけませんし。

 せっかく、料理ができる人間が2人になって。

 ミエルさんも、盛り付け、手伝ってくれるようになって。

 でも。

 お高いんでしょ?

 という見解です」


「移動可能コンロ機能の追加は、喫茶店レベル5よ」


「今、大事なこと、さらっと言いませんでした?」


「移動可能コンロ機能の追加は、喫茶店レベル5」


「やったーーーーー!

 そんなところまで考慮されて設計されてるんですか!?

 ミエルさん、神!

 神設計!」


「あなたには今、やるべきことがあるんじゃないの?」


「イエス、マム。

 『アイコン看板を外して、レベルアップの確認』、であります。」


 すぐに、喫茶店の外へ。

 アイコン看板を外すと同時に。

 脳内にアナウンスが流れる。


・喫茶店の売上が一定値に達しました、レベルアップします

・現在喫茶店レベル4です

・『床面壁面変更機能 Lv1』が解放されました


「『床面壁面変更機能』、とか来ちゃった!!」

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