水や氷を単品で販売する、およびそれに近い行為は禁則行為です

「人力☆所持金タイムライン機能、実行!」


・前回残金 [22,050G]

・食材 :-6,000G [16,050G]

・喫茶店売上 :+56,900G [72,950G]


 現在、所持金『72,950G』。

 船賃80,000Gなので、80,000-72,950 = 7,050G。


「ちょっとだけ、足りない!」






*****






「で、お金を貸してほしい、というわけね」


 今回も、営業成績書を上司、ではなく天使に見せる。

 その結果だけを見て、天使は勝手な判断をしたのだった。


「違います。

 ただの相談です。

 『残りをどうやってかせぐか』、という相談です」


「なんでもよくない?」


「その通り、なんでもいいんです」


「何、このやり取り」


「一旦、どんな方法でお金をかせげるか、検討してみようと思って。

 つまり、資金工面をテーマにしたブレストです。

 ミエルさんにも、項目を出してもらえると助かります」


「まあ、いいけど」






*****






 ここから天使とブレストを行いますので、皆さまは森になったラダーシェルフの映像をお楽しみください






*****






 結果は以下になります:


・喫茶店営業

・既存の素材を売る

・薬草採取

・家具を売る

・天界宝くじ

・釣り

・ギルド依頼


「家具を売るのだけは勘弁してください」


「あそこに、端っこで眠ってるだけのイスがあるじゃない」


「あれは、将来、お客さんが増えた場合に使うかもしれないので」


「どっちにしても、この人員数で、『増客』って、厳しくない?

 まあ、お昼時以外はいいけど」


「厳しいです。

 店員をやとうというのは、近い将来の必須事項、だと思っています。

 ミエルさんに天界に帰られたら、正直、営業、無理です」


 俺は、棄却された案に『×』を付けていく。

 あと、あんまりかせげなさそうなのと、変なのも、『×』、と。

 残ったのは:


・喫茶店営業

・既存の素材を売る

・ギルド依頼


「素材は、あと、どのくらい残ってるの?」


 このミエルさんの質問に、俺は以下のように答える:


・鶏のモモ肉が底をつき始めている

・ムネ肉(他)は、いっぱいある

・トサカとクチバシもあるけど、これ売れんの?

・狼肉と猪肉は、ジェルソンでほぼ使ってしまった

・狼の皮は、もう少し、残っている

・ノーマルドラゴンの売れそうな素材は、ツノ以外、全部売った

・レッドドラゴンとドラゴンルーラーのレザーが、ある程度残っている

・しかし、これは売りたくない

・ルーラーの爪3本と牙は売却可能

・しかし、武器防具開発素材となる可能性を考慮して、売却しないで持っている


「そして、大量に残っているものがあります」


「それは何?」


「ドラゴンの、『肉』です」


「あーね」


「これ、なんか、効果ありますかね?」


「滋養強壮に効果があると、聞いたことはあるわ。

 でも、この肉はあなたの『刀』で狩ったのだから、『火炎放射』の能力はあるわね。

 一時的にだけど」


「売れますかね?」


「さあ。

 マジックアイテムみたいなものだから。

 魔法屋にでも持って行ったら?」


「やめときます」


 となると、残った案は・・・。


・喫茶店営業

・ギルド依頼






*****






 ハミルトンのギルドにやってきた。

 前回は、天使同伴であったが、今回は俺一人である。

 俺は、紙っぺらのギルド会員証を見る。

 そこには、『E級』という階級と、俺の名前が記されている。


 ランク『E級』から『D級』への昇格には、特に試験などなく、『D級』に近い『E級』級の仕事。

 『E+』というクラスに分類された仕事を達成すれば、即昇格となる。


 俺は今、依頼掲示板の前に立つ。

 命に関わることであるからして、『低レベルだから大丈夫』という油断の心は捨てなければならない。

 真剣に、掲示板と向き合う、俺。

 そして、俺の視線は、ある依頼書に釘付けになった。


・依頼(ランクE+):『ワイルドウルフの毛皮』の納品


「これ、もう所持しとるがな!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る