喫茶店にどれだけの重量物を持ち込んでも、喫茶店オープン時のMP消費量は変わりません

 神輿みこしだ、神輿みこしだ。

 納入祭。

 俺とモリタさんが、ラダーシェルフを2人でかつぐと。

 それはもう、まごう事なき、神輿みこしかな。


「わっしょい、わっしょい」


「わっしょい、って、なんですか?」


「俺にも、わかりません」






*****






 ラダーシェルフは、入り口左、入ってすぐの場所。

 壁に付けて、配置しました。

 まだ、何も置くものがありません。

 俺の目論見もくろみでは、この棚に以下のものを配置する予定です:


・多肉植物

・その他、観葉植物

・鉱石

・書籍

・ランタン

・流木


 ここで、特に俺が強くのぞんでいるアイテムが多肉植物。

 その王道である『サボテン』である。

 抜群の無骨さを持つ観葉植物として、俺を含む、一部の人間に大受けしているのである。


「モリタさん、このへんに、砂漠ってないですか?」


「突然、何、言ってんすか?」






*****









 ラダーシェルフの検収と支払いが終わった俺とモリタさんは。

 家具店の作業場まで戻ってきた。

 双子ちゃんがすぐに寄ってきてくれる。

 かわいい。

 さあ、ここからまた仕事の話だ。

 俺は、タイル、その白色の方を、机の上に並べる。

 縦4、横4で、16枚のタイルを並べた。


「以前、石の天板の話をしていましたが。

 どうやら、パレルで手に入りそうです。

 一般の客にも石材を販売してくれるお店を見つけました。

 花崗岩かこうがんという石で、石の天板を作れないかと考えています。

 しかし、その前に別の素材を見つけてしました」


「これですか?」


「これはタイルです。

 保護や装飾を目的として、壁に貼り付けて使うもの、ですが」


「これを、テーブルの天板にするのですね!」


「その通り!

 もう一色、黒のタイルも16枚あるから、2脚のテーブルを発注したいんです」


「しかし、俺らには。

 タイルを『接着』する技術がありません」


「接着は不要です。

 乗せるだけでオッケーです。

 ただし、木で枠を作って、これで16枚のタイルを囲みます」


 ここから、俺は、設計図の作成にかかる:


・4x4、16枚のタイルを、天板材の上に乗せる

・それを、木の枠で囲んで、動かないように固定する

・今回は、机が転倒してタイルが割れることを防止するために、脚は4本使う

・可能なら、ダークブラウンカラーで塗装してほしい


 ここまでは、皆に了承をもらった。

 また、塗料に関しても、まだ在庫があるとのことだった。

 ここで、双子ちゃんがアイデアを出してくれる。


「4つ脚のテーブルは、タドルお兄ちゃんの喫茶店に、余ったモノがありますよね」


「なるほど。

 その上に、枠とタイルを乗せれば、すぐ完成だね」


「塗装は先にやっちゃうのです」


 あっという間に、設計検討会は終了。

 既存の家具の改造で済むので、工数と費用も、かなり削減できると考える。


「なんか、SEエスイー、やってたとき、思い出すなぁ」






*****






 モリタさんに船賃の話をしたこともあり。

 『今回のタイルテーブルは無償でよい』という話になった。

 申し訳ない気持ちはあるが、早く海を渡りたい気持ちも強く。

 しかし、新しい家具を作りたい気持ちも強く。

 

「人力☆所持金タイムライン機能、実行!」


・前回残金 [40,050G]

・タイル(32枚) :-16,000G [24,050G]

・ラダーシェルフ :-2,000G [22,050G]


 『誘惑に負けた』という結果です。

 船賃80,000G。

 残り、80,000-22,050 = 57,950G。

 ここから俺は、今後の方針について、検討をはじめました:


・たしかにまだ、ドラゴンレザーの残りなど、売却可能な素材は残っています

・しかし、今後の武器防具の改善の可能性を考慮すると、少ししく感じるのでした

・最善策は、『喫茶店第4シーズンの営業を行う』と、考えるわけですが

・すでに叩き出している『定食が出せない』という問題が課題となり

・なので、以下の結論に達するのです


「新定食の開発!」

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