この世界には7種類のドラゴンが生息しています

 ミエルさんの説明をまとめると、以下のようになる:


・ドラゴン:緑色、火を吐く

・レッドドラゴン:赤色、すんごい火を吐く

・ブルードラゴン:青色、氷を吐く

・アースドラゴン:黄色、土魔法を使う

・ドラゴンゾンビ:茶色、腐ってる、毒攻撃

・ドラゴンルーラー:紫色、雷魔法を使う

・ブラックドラゴン:一番強い、硬い、謎


 ちなみに、下にいくほど強いそうです。


「コイツら、全部、倒す!」


「何、言ってんの!!!!!」


「まあまあ、聞きなさい。

 『今日』倒す、とは、言ってないの。

 『いつか』倒す、と、言っているの」


「ああ、そういうことですか・・・」


「そして、それが、『明日』になるかもしれない、とも言っているのよ」


「何、言ってんの!!!!!」


「あなた、前世でこんなテレビ番組、見たことない?

 カブトムシ、捕まえよう!

 蜜、木に、塗って。

 一晩待とう。

 って」


「何、言ってんの!!!!!」


「それと、同じ原理よ」


「何、言ってんの!!!!!」


「何色の『飛行虫』が飛んでくるかは、わからないけれど。

 それはそれで、ワクワクするわね」


「何、言ってんの!!!!!」


「ツッコミ、ご苦労様。

 でも、私は、本気よ」


「ギルドの、依頼内容を説明してください」


「『レッドドラゴンより上位のドラゴンの角の採取』、よ。

 つまり、『緑』は『ハズレ』なの。

 『緑』以外なら『アタリ』」


「ツッコミ、疲れました」


「さて、突然だけど。

 ここで問題を出すわ」


「はー」


「明日、このシェルターに食いつく可能性があるのは、何種類のドラゴンでしょうか!」






*****






 ここから俺がシンキングタイムに入りますので、皆さまはレインボー・インコの映像をお楽しみください






*****






「すんません、なんか頭回らないので、今回はパスさせてください」


「正解は、5種類。

 アースドラゴン、ドラゴンゾンビ以外の全部よ。

 この2匹だけ、飛べないの」


「なるほど・・・。

 ・・・。

 って・・・。

 ブラックドラゴンが襲ってくる可能性もあるんですか?」


「超☆レア」


「そんな、ソシャゲのガチャみたいなノリで言わないでください。

 ・・・。

 『黒』に、勝てるんですか?」


「わからないわ。

 やれるだけのことは、やってみるつもり」


「この、冒険クソ野郎めー」


「緑、赤と、ドラゾンは倒したことあるのよ。

 青あたりが来てくれることを祈ってるわ」


「天使、神に、祈る」


「こんなところにコンテナという異物があることが異常でしょ。

 ドラゴンは知能が高いのよ。

 きっと、この異変を感知するわ」


「さすがの推察力です!」


 なんか、もう。

 どうでもよくなってきました。

 窓の外の紅葉もみじも、宵闇で霞んできて。


 というわけで。


 おやすみなさい。






*****






 おはようございます。

 本日は曇天。

 窓の外は曇天。

 その確認が取れた、ということは。

 それは『紅葉もみじが散った』、ということを意味するのです。


「ワイバーン、いなくなりましたね」


 窓の外は、平穏。

 何の飛行物体も確認できない。


「敵感知!」


 突然、ミエルさんが叫んだ。

 なるほど!


「敵感知スキルで、シェルターの周囲のモンスターを索敵しているんですね」


「惜しい!

 敵感知『スキル』、ではなく、敵感知『魔法』よ。

 使用に、魔力消費を伴う。

 でも、使用目的は、あなたが考える通りよ」


「何て、出ました・・・」




 ーー 緊張の瞬間 ーー




「ドラゴンルーラー!!

 キターーーーーーー!!!!」


「ギャーーーーーーーーーーー!!!!!!」

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