第4話

「あのっ、さっきは助けてくれてありがとうございました。まさかKの4カードだったなんて…。あの、えっと…」

「あぁ私?名前は神楽澪よ」

「神楽さんはどうして私を助けてくれたんですか。それに私が負けると分かっていたみたいでしたけど…」

「さすがにそこまでは分からないわ。ただどちらかが勝ってお皿を2枚持たれるのは避けたかっただけよ」

「あ、なるほど…。でも何事もなくて本当に良かったです」

「あなたそれ本気で言ってるの?」神楽の言葉に成瀬はぽかんとする。

「いい?ルール説明が終わって皆不安だらけだったはずよね。なのにただポーカーをしただけで4人は二階へ上がってしまった…不自然だとは思わない?」

「そ、そう言われると確かに…」

「恐らく彼らは4人でチームを作ったのよ。実はこのゲーム、優勝者以外は借金を背負ってしまうように見えるけど4人でチームを作れば助かる仕組みになってるの」

キョトンとしている成瀬に神楽は続ける。

「お皿は全部で6枚、つまり4枚揃えれば優勝は確定よね。優勝者以外の3人はペナルティを受けてしまうけど賞金の3億を分配すれば全員助かるってわけ」

「ほ、ほんとだ…神楽さんすごい!でもどうやってチームを作ったんですか?そんな相談してるようには見えなかったですけど…」

「だからポーカーをやったのよ。たぶんトランプに勧誘する文句でも書かれてたんでしょう。目の前でこっそりチームを作るには上手い作戦だわ」

「え…でもトランプに文字なんて書かれてなかったと思うんですが…」

「そりゃそうよ。私たちには見えるわけない。交換する時彼らが捨てたカードに書かれていたんでしょうから」

成瀬は少し考えてから納得し、また少し考えて呟いた。

「あの…それってもしかして今絶望的ってことじゃ…?」

「あらゲーム終了まで教えない方が良かった?でもまあ望みがないわけじゃないわ。賞金の受け渡し方法が決まるまでは彼らだって安易にお皿を託したりできないはず。今この瞬間はこちらにとってもチャンスなのよ」

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