第四章 自分自身との闘い
【登場人物】
白波 冬哉(しらなみ とうや):男性
本作の主人公。中学3年生。心にとあるトラウマを抱えている引きこもり。前章にて決意を固め、逢魔に立ち向かうことを決心した。これから、逢魔との熾烈な闘いが幕を開ける———。
アテン:女性
冬哉のサポートをする神様。冬哉とともに逢魔の殲滅を進める。
妖魔:性別不詳
冬哉の逢魔が時に蔓延る異形。
西条真子(さいじょう まこ):女子
冬哉をいじめたいじめっ子グループのリーダー格(幻影)。
【本編】
【アテンと冬哉、校舎前にて話し合う】
冬哉「・・・で、決心したはいいが、逢魔はどこにいるんだ?」
アテン「逢魔には4種類あって、まずさっき説明した『
『
冬哉「『心の闇を広げた存在』?」
アテン「そう。貴方の場合、『いじめっ子』ね。」
冬哉「・・・ちょっと待て。なんで俺がいじめられてたってことを
知ってるんだ?話してなかったはずだけど。」
アテン「私が貴方の名前だけしか把握してないとでも?」
冬哉「・・・どうやら、余計な質問だったみたいだな。」
アテン「・・・って、こんな話をしている場合じゃないわ。早く逢魔を殲滅しにいくわよ。」
冬哉「おいおい、まだ俺は逢魔達がどこにいるのか知らないぞ。」
アテン「・・・まず、迷逢魔のところに行く。貴方の場合、いじめられていた場所。」
冬哉「・・・1年3組。」
アテン「その教室に行って、迷逢魔から『鍵』を奪う。・・・貴方、この学校の中で『行ったことのない場所』はある?」
冬哉「どうしていきなりそんなことを聞く?」
アテン「『知らない』は一番の恐怖。貴方ならわかるでしょう?」
冬哉「まあな。今のクラスの状況を知りたい。けど分からない。もしかしたら、いじめっ子達が新たな
アテン「(ため息)、とんだお人好しね。で、行ったことのない場所はどこ?」
冬哉「うーん・・・。(しばらく考える)・・・屋上。屋上だ!」
アテン「OK。屋上ね。恐らく屋上へと繋がる扉には特殊な鍵がかかっている
はず。その鍵を迷逢魔から奪った鍵で開ければ、真逢魔とご対面できるわ。」
冬哉「よし、そうと決まれば、早速レッツゴ・・・
(アテンに引き止められる)」
アテン「油断しないで。校内には恐らく逢魔がうじゃうじゃいるわ。くれぐれも慎重に、ね。」
冬哉「・・・(深呼吸)。ああ、わかった。」
冬哉「———行くぞ!」
【冬哉・アテン、校内へと突入】
冬哉「・・・はああああっ!(逢断剣を妖魔に振るう)」
妖魔「グアアアアッ(唸り声)」
冬哉「・・・よし!」
アテン「その調子でいくわよ!(応戦しながら)」
冬哉・アテン「はあっ!(逢断剣で敵を殲滅してゆく)」
【数分後】
冬哉「・・・ふう。これで1階にいた逢魔たちは消滅したか。」
アテン「そうね。って、貴方すこし逞しくなったんじゃない?」
冬哉「ああ、何だか逢魔を倒していくうちに、どんどん心が軽くなっていく気がするんだ。」
アテン「逢魔は心の闇。それを倒しているのだから、心が軽くなっていくのは
至って正常よ。」
冬哉「・・・1年3組は2階にある。このまま2階の逢魔も蹴散らすぞ。」
【2階・逢魔殲滅後】
アテン「・・・貴方、逢魔狩りの才能あるんじゃない?ここの階にいた逢魔も
瞬殺だったし。」
冬哉「そんなことない。
アテン「・・・さて、いよいよ迷逢魔とのご対面ね。心の準備はいい?」
冬哉「ああ。ここまで来たんだ。覚悟はできてる。」
アテン「じゃあ、いくわよ・・・!(1年3組の扉を開ける)」
冬哉「・・・・・誰も居ないぞ?」
アテン「・・・心の中でいじめっ子たちの姿をイメージするの。
そうしたら出てくるはず。」
冬哉「解った。(静かに目を瞑り、いじめっ子たちをイメージする)」
冬哉「———出てこいよ、『西条真子』・・・!(怒りを込め、呟く)」
【その瞬間、大きな地鳴りと共に黒い渦が巻き起こる】
冬哉「な、なんだ・・・!?」
【渦の中に複数の人影が見える。それは、冬哉をいじめていたいじめっ子
グループだった】
西条真子「(冬哉を見て、嘲笑う)」
冬哉「(怒りで呼吸が荒くなり、剣を持つ手が震える)」
アテン「ちょっと、落ち着い———」
冬哉「・・・何、笑ってんだよッ!(怒りが最高潮へと達する)」
【冬哉が西条真子に切りかかる瞬間、アテンが引き留めようと駆け寄る】
アテン「冷静になって!あれは幻影!幻なのよ!当の本人が自分の幻影に
惑わされてどうするの!?」
冬哉「離せッ!あいつらは、俺の平穏な日常を嘲笑いながらぶっ壊したんだッ!あいつらは俺が必ず殺す!」
【アテンの制止を振り切り、冬哉は在りし日の幻影に愚直に切りかかる】
冬哉「(剣撃を躱され、体勢を崩す)しまっ———」
【冬哉は幻影に囲まれ、総攻撃を受けている】
【アテンは冬哉を助けようとするが、】
アテン「・・・くそっ、歯が立たない・・・!」
アテン「冬哉ッ!返事してッ!冬哉ッ!」
冬哉「・・・。(返事がない)」
アテン「冬哉・・・。(膝から崩れ落ちる)」
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