第3話 満喫冒険の始まり

「てなとこで、ワシは色々と仕事が立て込んでてのぉ。」

「そろそろ失礼させてもらうわい。」

「おぉ、サンキューなリヴァティじいさん。」


なんか神様ぽくないため馴れ馴れしくしてしまう。

まぁ、相手は仮に『神』だとしても見たことがないため分からん。

こんなことで怒るほど器は小さくないだろう。

そんなことを考えていると、竜巻みたいに渦巻いて消えていった。


「うわぁ、それっぽい。」 


思わず口にしてしまうほど、異世界っぽい。

それはそうとして、アカリはどうするんだろうか。

まぁ、ガキのころからの付き合いもあるしほっとけないちゃあほっとけない。


「アーカリさんよー、どぉしますん?」


一応アカリはどうしたいか聞いておく。


「ど、どうしたいなんて訊かれたって分からないわよ…」

「まぁ、そうだよな。そこで、知識豊富なカイト様に付いてくることを命じよう!」


この状況だ、こうするしかない。


「その、えらそーな態度は気にくわないけど、今はそうするしかなさそうね。」


そうしてもらえると、こちらとしてもたすかる。


「まずはさっきみえた城下町でもいってみるかぁ。」

「そ、そうね。」


二人は、城下町まで間の広大な草原を歩いた。

でも、さっきから思っていたのだがこの草原、魔物とやらがいないようなきがする。

なんか結界でも張られているのだろうか。

それとも、夜しか出ない的な?何かだろうか。

魔法があるんだ、魔物がいないなんてことはないだろう。

いなかったら泣く。

間違いなく、泣く。

まぁ、そんなことを考えながら、城下町へと進んだ。


「なぁ、お前何のスキル貰ったんだ?」


そう言えば訊いていなかった。


「ス、スキル?あぁ、カイトがチートだの言ってたあれか。」

「お前も貰っただろ?パスポートみたいなやつ。」

「うーんと、これかっ!」


持っていた鞄からパスポートのようなやつを取り出した。

中を開いてみると、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 高坂こうさか 明里あかり Lv.1

 スキル 『急成長』『完璧魔法オール・マジック

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アカリの場合、二人ともリヴァティじいさんから貰った『急成長』の他に、

『完璧魔法』というスキルを貰ったらしい。

その名の通り、全ての魔法が完璧に使えるらしい。

是非ともコピーさせてもらいたい。


「なぁ、アカリ、握手しようぜ。」

「え、キモ。握手とかなんで?」


素直に断られた。

まぁ、仕方ないと言えば仕方ないが。

ちと、言い方を変えてみようか。


「俺のスキルで、アカリのスキルコピーさせてもらいたいんです。お願いします。」

「そ、それを早く言ってよね、それじゃなければただただキモい。」


何か心が痛い。


「まぁ、そう言うことならしてあげてもいいけど。」


なにこのツンデレのテンプレみたいなの。

正直ツンデレは好きだかアカリはこんなキャラだっただろうか。

アカリは手をスッと差し出してきた。

二人とも、年頃の男女のせいか、妙に緊張している。


「はっ、早くしなさいよね。わ、私だって緊張してるんだから。」

「はいはい、わかりました。」


そう言って、アカリの白くて細い手を握った。

緊張の、せいか地味に手汗がでている。 


「は、はい。これでいいでしょ。」


パッとすぐにてを離してしまう。


「で、どうなったのよ。」 


パスポートを確認してみると、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前 空本 海斗 Lv.1

 スキル 『急成長』『全能握手』『完璧魔法』

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と、追加されている。

やっぱりこのスキル、チートやなぁ。

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