第2話 恋した異世界
空は雲一つ無く真っ青。
そして、壮大。
もといた日本とはスケールが違って見える。
ありがちなドラコンのような生き物も優雅に飛んでいる。
「ここが、こここそが異世界なんだっ!」
思わず叫び、感動してしまう。
そりゃあ当然だが。
「あー、転生ではなく、転移だったかー。」
自分は転生に心奪われる程憧れていたからだ。
何しろこんな異世界ですーって感じの世界に来れたんだ、
思いっきり楽しみ、満喫したおしてやる。
そう決心した。
「さぁて、どうするかな。」
どうやら、山の上に転移したらしい。
遠くの方に城(?)のようなものと、城下町(?)のようなものが見える。
おまけに大草原がどこまでも続いている。
「うわぁ、ワクワクしてきた。」
心の底から感動する。
「イテテ、何ここ。」
後ろからやけに聞き覚えがある声がする。
「ア、アカリ?」
よくわからないが、アカリまでこちらの異世界に転移させられたようだ。
「え、カイト?てか夜じゃない!?」
「うん、ここ異世界っ!」
ここが、どこかわからなそうだから明るく教えてあげた。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ?」
まぁ、そりゃそうか。
驚くことに無理はない。
だって異世界だもん。
「あ、あの異世界?カ、カイトがい、行きたがってた?」
「そうだけと…」
「じゃあ私、死んだ?」
もの凄く驚いた顔で訊いてくる。
「厳密には死んでない、転移してきただけだからね。」
「日本に帰れるよね?」
とても心配そうだ。
帰れる方法はしらないが、ここは元気づけてやろう。
「帰る方法は、多分なきにしもあらずって感じかな。」
「なきにしもあらずって無いかもしれないってことじゃない!」
「異世界ものでは大体日本に帰るって目的のために行動するもんだろ?帰れる方法が恐らくあるはずだ。なきゃ、自ら作り出してやるよ。」
「そ、そう…」
少しは安心したようだった。
それより、大事なのは魔法やスキルが使えるかどうか。
まぁ、順を追ってやってみるか。
「アカリ?遠くの方に見える、城下町に行くぞ。」
アカリは異世界を満喫するには少々邪魔だ。
ほったらかす訳にはいかないから、とりあえず連れていく。
「お城?こんな時代に?」
「当たり前だろ、異世界だぞ。漫画読んだこと無いのかよ。」
少しは興味を持ってくれてもいいだろ。
やっぱり無関心だ。
「おーーーーーーーーい。」
「そこの二人ー」
空から声がする。
老人のようだ。
「どうも、どうもー。」
「ワシは転生、転移に関する事をしている『生命の神』リヴァティであるのじゃ。」
謎の声の主は胡散臭いが、『生命の神』らしい。
「今回の転移失敗してしまってなぁ、本当は教会に転移するはずじゃがぁ、わしの手違いでな変なところになってしもうたのじゃ。」
どうやら、俺たちは教会に転移させられる予定だったようだ。
どうりで変な山の上だったのか。
「お詫びに『
おっ、キタキタ。
初スキルー。
『急成長』というらしい。
その名の通り、レベル20までの成長スピードが尋常じゃないほど早くなる。
嬉しいねぇ。
「あと転生、転移者にはスキルをランダムでプレゼントしてある。」
「ホレっ。」
っとパスポートのようなものがを渡された。
「それで自分のステータスがわかる。大切にな。」
開いてみると名前、レベル、スキルなどが、一目でわかる。
こりゃ便利。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前
スキル 『
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『全能握手』とかいてある、ランダム配布スキルか。
「なぁ、リヴァティじいさんよぉ、この『全能握手』とやらはなんだ?」
気になったので訊いてみる。
「『全能握手』じゃと。お主、そう言ったか?」
「あぁ、そう言ったとも。」
「そのスキルは、握手をした人のスキルをコピーし、使えるスキルじゃ。」
ファッ?何そのぶっ壊れ。
チートやん。
「ただし、スキルの効果など知っておかないとコピー出来ない。」
その条件があったとしてもぶっ壊れやろ。
「コピー出来ないスキルはない。例え『神』のスキルであっても。」
あぁ、俺は確信した。
この世界、余裕だ。
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