配信回13
【絵描き三人衆】ワンダーランド事務所の日常【同人漫画】
〇サファイア(華代)
さて、今日はワンダーランドの事務所、ひめのや株式会社の様子を中継して行くっすよ。
〇ルビー(孝太郎)
ども、ノッポのルビーです。声が野太いのは気にしないで下さい。声変わりです。
〇トパーズ(大介)
やめろ! 俺のキャラクターイメージを崩壊させるな。ボイスチェンジャーをちゃんと使えよ!
〇サファイア(華代)
背後の五月蠅いのは無視して次のページに行くっす。この時間はピグマリオンちゃんがいるはずっすね。
〇ピグマリオン(可愛らしいビクビクした女の子姿)
こ、これで、どうでしょう。綺麗な音声に、なってます?
〇川村悟(可愛らしい無口な女の子姿)
グッ(親指を立てるポーズ)
〇ピグマリオン(胸をなで下ろす可愛い仕草で)
良かったぁ。リスナーさんにも、ちゃんと、伝わるかな……。
〇川村悟(威厳を感じさせる堂々とした立ち絵)
コクリ。
〇ピグマリオン(ホッとはにかんだ笑顔)
川村さんに肯定して貰えると安心できますね。
〇サファイア(華代)
うーん、これは間違いなく女の子っすね。リスナーさん、やっぱピグマリオンちゃんは女の子。間違いないっす。
〇ルビー(孝太郎)
これが偏向報道か。音声なしでやり取りだけを抜き出した物だが、内容は事実なだけに質が悪い。
〇トパーズ(大介)
イラストの暴力だな。本人を見たことのある俺ですら萌えキャラにしか見えん。
〇サファイア(華代)
私は実物だろうとイケるっすよ?
〇ルビー(孝太郎)
お腐れ様。どうか気を静めてくだせぇ。
〇トパーズ(大介)
職場にBL同人誌を持ち込むのだけは止めにしないか?
〇サファイア(華代)
おう、お前らのエロ同人誌を燃やしていいなら考えてやるっす。
〇トパーズ(大介)
あれは作画資料。作画資料だから!
〇ルビー(孝太郎)
次のページに行こう。これ以上は不毛だ。
〇サファイア(華代)
はいはいっす。次は姫様とエリカちゃんすね。
〇アリス姫
なーなー、見せてくれてもいいだろォ?
〇赤衣エリカ
ダメ! 絶対、ダメ!
〇アリス姫
専門の魔術書とか配信ネタにしなきゃ勿体ないって。2万円もしたんだしさー。
〇赤衣エリカ(格好いいポーズをとりながら)
これ以上、中二病キャラを定着させるわけには行かない!
〇アリス姫(ニシシと笑って)
経費で2万円、落とせるかもよぅ? 配信に使えばさー。
〇赤衣エリカ(愕然とした顔)
なん……だと……。
〇アリス姫(エリカの周りでウザい笑顔を浮かべて回り続ける)
ねぇねぇ。どうするのー? お金は大事だよー?
〇赤衣エリカ(アリス姫を殴りながら)
だらっしゃー!
〇アリス姫(吹き飛ぶアリス姫)
うぼわっ。
〇サファイア(華代)
いやー、姫様は相変わらずっすね。
〇ルビー(孝太郎)
シリアスな時とキャラが違うな。トパーズなんかは足を向けて寝られないんじゃないか?
〇トパーズ(大介)
あの時は大変ご迷惑をお掛けしました。例の件も含めて感謝しています。
〇サファイア(華代)
私も感謝してるっす。なので同人誌を経費で落として下さい。
〇ルビー(孝太郎)
すを付け忘れているぞ。キャラを忘れてガチで要請するな。
〇サファイア(華代)
そうすねっす。それじゃっす、次のページに行くっす。
〇諸星セナ(エプロン姿)
ありがとうございます。料理を教えて貰えるだけじゃなく盛り付けの指導まで。
〇赤衣アカリ(メイド姿)
料理は一種の芸術的要素がありますし。皿に綺麗に並べるだけで食欲が違ってきますから、当然ですよ。
〇みさき(短パンTシャツ)
流石プロのメイド。言うことが違うねっ。
〇赤衣アカリ
そこはせめて料理人が良かったかな……。
〇諸星セナ
あ、あの。お母さんみたいで温かみがあって私は好き、ですよ。
〇みさき
バブみを感じてるんだって。
〇赤衣アカリ
うーむ、喜んでいいんだろうか? 後、モロホシさんは好きとか気軽に言わない。
〇みさき
好きの言い方が常人と違うんだよね。もう告白する時のドキドキ感が伝わってくるもん。勉強になる。
〇諸星セナ(頬がピンクに染まっていく)
え、え? そんなつもりはっ。私は別に、アカリさんのことを、好きだとかっ。
〇みさき
顔を真っ赤に染めて上目遣いをしたかと思えば恥ずかしがって目線を下げる。まさに恋する女の子。
これで一切、何の他意もなく恋愛感情を抱いているわけでもないからセナちゃんは凄い。尊敬してる。
〇赤衣アカリ
計算でやってると誤解されやすいですけどね。あるいは何の感情も抱いていないとか。
多分、モロホシさんが感じている羞恥心を身体が何倍も増幅して伝えているんだと思うんですが、あってます?
〇諸星セナ
え? は、はい。たぶん。
〇みさき
女優向き。ってわけでもないのか。自分で意図して感情を表現してるわけでもないみたいだし。
〇赤衣アカリ
不快な感情を伝えないよう抑えることは出来てるからマシ、じゃないな。いっそうチグハグになってる。
〇諸星セナ(ちょっと涙ぐみながら)
あの、もうそこら辺で許して下さい……。
〇みさき
違う違う。別にセナちゃんを責めてるわけじゃないってば。
〇赤衣アカリ
皆、モロホシさんのこと好きですよ。
〇諸星セナ(薄らと頬を染めながら)
……ぁ、ありがとぅ、ございます。
〇みさき
アカリちゃんも天然ジゴロの素質あるね。
〇サファイア(華代)
うーん、難儀な娘っす。
〇ルビー(孝太郎)
女性から見て正直どうだ? モロホシはぶりっ子として嫌われる事も多いが。
〇サファイア(華代)
初見だとそりゃ良い印象ないかもしれないっすけど。それで虐められたり生活にも苦労してるのを見ると話が違う気がするっすね。
少女漫画の主人公を応援する読者的な気持ちが湧き上がるんで。意外と女性リスナーもモロホシちゃんにはいるんすよ。
〇ルビー(孝太郎)
なるほどな。おいトパーズどうした?
〇トパーズ(大介)
みさきがあんなに親身になって相談に乗ってる……。
〇ルビー(孝太郎)
涙ぐむな。みさきはお前のキャラじゃないって姫様にも言われてただろうが。
〇サファイア(華代)
気持ちは分かるっすけどね。私もピグマリオンの事になるとそわそわするんで。
〇ルビー(孝太郎)
必要以上に干渉するなよ。子供と同じく自由意志があるんだ。こっちの意向に従わせようとすると破綻する。
〇サファイア(華代)
と、モロホシさんに恋する一歩手前だった絵師の自戒なのでした。っす。
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