配信回7
【WL所属】初配信、頑張ります【諸星セナ】
〇諸星セナ
はじ、初めまして。諸星セナでぅ。
【噛んだ】【噛んだな】【えぅ!】【草】
〇諸星セナ
す、すいま、しぇん。緊張しててっ。
【いいんやで】【深呼吸してみ?】【人を呑めば落ち着くぞ】
【カニバリズムを勧めないで(×_×)】
〇諸星セナ
すぅーはー。はい。ありがとうございます。少し落ち着いて来ました。
【良かった^^】【深呼吸、助かる】【ASMRはよ】
【それじゃ自己紹介してみようか。バスト・ウェスト・ヒップのサイズはどれくらい?】
【セクハラは自重しろよ。アリス姫じゃないんだぞ】
〇諸星セナ
えっと、自己紹介……。あの、アリス姫様からは素のままで対応して良いって言われたので私には設定というものがないんです。
だから私自身の事を少し話させて貰います。
【へー、珍しい】【結構な挑戦だな。設定なしって逆に難しくないか?】
【VtuberなのにYouTuberみたいだな】
〇諸星セナ
私は、ずっと引き籠もっていました。中学生の頃から5年近く。学校で虐められて外に出ることが出来なくなって。
最初は励ましてくれていた親も最近は迷惑そうな顔で見てくるようになって、それで。
【あっ(察し)】【マ?】
【掲示板で見たな。引き出し屋の被害者か】【←何それ】
〇諸星セナ
家を追い出されました。引き籠もり支援事業を手掛けている人達に半ば浚われるようにして。
無理矢理に入れられた施設は刑務所みたいなところで、私達は犯罪者のように扱われました。
何度も暴力を振るわれて、逃げ出したら罰としてリンチと食事抜き。
姫様は親も騙されていた被害者だって言うけど、私はそうは思いません。
業者に支払った数百万は私を追い出す為の手切れ金です。
【うっそだろ】【え、現実の話なの?】【そんなことある?】
【闇が深くなってきたな】【これがニートの末路か……】
〇諸星セナ
そんな時に助けてくれたのがアリス姫様でした。
ゲームで同じギルドに入ってるからって、面識もない私を助けるために現実で動いてくれたんです。
【ガチか】【すげーな、アリス姫】【これってマジの話なの?】
【本当だぞ。複数のギルメンがその時の話を詳細に語っている】
【世にも奇妙な物語】【現実は小説よりも奇なりだな】
〇諸星セナ
その上、親と上手くいかなくて路頭に迷った私達を保護してくれて。
家賃も無しで自分のマンションに住んで良いって。ぐずっ。
一緒に、ずっ、Vtuberやってみないかってっ。
【泣いた】【(´;д;`)】【姫様、俺も助けてくれ……】
【懐が深すぎひん?】【そんな人が現実にいるもんなんだな】
【リアルも捨てたもんじゃないな……】【金持ちの道楽】
〇諸星セナ
た゛か゛ら゛、わたじっ、絶対にVtuberを成功させたくっでぇっ。
【泣かないで】【大丈夫、成功するって】
【実際に結構な人がWLに注目してるよな】
〇諸星セナ
す゛びません。初配信なのに泣いてしまって……。
【いいんやで】【チャンネル登録した】
【俺、これからWLの箱押しになるわ】【俺も】
〇諸星セナ
お詫びに短いですけど、歌を歌います。これは私と同じく施設に監禁された人が作った曲で。
その人はもう二十年近く人と喋ってなくて失語症みたいになってしまっていて。
だけど、姫様に救出されてから、ずっと音楽に向き合い続けて作詞作曲をしたんです。
この曲には魂が籠もってると私も保証します。聞いて下さい。
作詞・作曲、川村悟。ボーカル、諸星セナで『見えない明日を』ですっ!
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