昔書いたミステリ小説が出てきた話②

 就活面接の如く、結論から言います。

 その小説、ある重大な欠陥を持っていました。







 何と








 犯人も




 犯行動機も



 殺害方法も





 ろくに決めていなかったのです。




 意味が解らないと思うでしょう。私だってそう思います。


 発見された小説は、つまり、フーダニット(犯人)、ハウダニット(凶器・殺害手段)、ホワイダニット(動機)を全く決めていないのに登場人物が殺されていくという、ミステリの化けの皮を被ったバトルロワイアル小説になってしまっているのです。


『女子高生の無駄づかい』で幼い頃に書いた漫画が出てくる話があったけれど、あのときのヲタこと菊池茜さんはこんな気持ちだったのか。



「なんだこれは」



 読者(この場合は私本人になりますけど)に犯人・犯行動機・殺害方法を考えてもらうという、超丸投げ。逆に新しい。



 明らかに参考にしていると見える『うみねこのなく頃に』は確かに、あるEpisodeの殺人事件の回答がそのEpisodeでなされるわけではないけれど、じゃあ犯人を決めていないのかって言ったらそうではないのよ。決まってんのよ全部ちゃんと。だから赤の真実と青の発言の応酬が光るわけよ。

 


「勘違いすんな」と



 何を思ってこの話を作ったんだろう。




 しかし、そこであることに気付く。


 そう言えば、これまで公開未公開あわせて結構小説書いてきたけれど、ミステリ小説は全く書いてないな……と。


 こはいかに。

 もしや、これがトラウマになってる?


 いや、もともと見せる前提で小説を書いていたわけじゃないからな……。というか趣味で書いてるものがトラウマになってたまるかっつの。


 では、一体。


<次回>

 どうでもいい自問自答の果てに、一つの解が導き出される





 

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