第440話 行き先確認

 フィロの家の隣に作られた家に、俺たちはひとまず集まった。


「ダンジョンに行くとして、最初はマジョリカのダンジョンでいいか?」


 現在エルド共和国のナハルにいるため、ここから一番近いのは同国内にあるフリーレン聖王国の国境近くにあるダンジョンだ。次にボースハイル帝国にあるダンジョンになる。

 ちなみに七つのダンジョンは、ボースハイル帝国に三つ、エーファ魔導国家に二つ、ラス獣王国に一つ、エルド共和国に一つとなっている。


「途中まで進んでいますし、そこでいいと思います」

「うん、エルザちゃんとアルト君のことも気になるし、私もマジョリカで賛成かな」


 クリスの言葉にミアが続けば、他の三人も賛成していた。


「あ、ただ一度聖王国の聖都に寄ってもらってもいい?」


 ミアは一度ダンのおっさんにしっかりと報告をしたいようだ。

 通り道だし問題ないかな?

 それにエルド共和国からフリーレン聖王国に向かうルートは通ったことがないから、それも楽しみだ。

 そんなことを言ったら、クリスとルリカは顔を見合わせて笑っていた。



「お兄ちゃんたちも聖王国に行くの?」


 ヒカリたちが無事目覚めたことを伝えていなかったことを思い出した俺が、コトリに連絡を入れたらそんな言葉が返ってきた。

 現在コトリたちも聖王国に向けて冒険者の依頼を受けつつ移動しているそうだ。

 何でもシズネを探すために、まずは王国に戻って情報収集をするとのことだ。一応スイレン経由で、魔人たちにも頼んでいるらしい。


「王都に行くなら転移で送ろうか?」

「護衛の依頼を受けることになったし、アルゴさんたちが言うには旅慣れした方がいいって話だから……ありがとうね、お兄ちゃん」


 現在コトリたち五人は、冒険者になって活動している。

 既にランクはDに昇格し、現在国境都市サルジュで護衛の依頼を受けて、三日後にフリーレン聖王国のフェアインの町に向けて出発することになっているみたいだ。

 その護衛にはアルゴたちも参加するようだ。

 Aランクのアルゴたちが? と思うが、コトリたちを参加させるためにアルゴたちも一緒に受けたようだ。もちろん依頼料はアルゴたちにとっては低いが、経験を積ませるためにいいと判断したみたいだ。


「けどそれってアルゴたちも王都に向かっているってことか?」

「うん、そうだよ?」

「それはいいのか?」

「え、アルゴさんたちも王都に住んでいたみたいだし、いいと思うんだけど……?」


 まあ、納得して戻っているならいいのか?

 モリガンを追い求めていたアルゴが、ここを離れることに違和感を覚えながらも、本人がそのように選択したなら俺がとやかく言うことはない。


「分かった。ならアルゴさんたちの話を良く聞いて頑張れよ」

「そこはお兄ちゃんがアドバイスをくれてもいいんですよ?」

「俺は護衛依頼は一回しか受けたことないからな……しかも駆け出しの頃に」

「そうなんだ。あ、ヒカリちゃんと少しお話出来たりする?」


 コトリの言葉でヒカリを呼びに行って通話を代わると、二人はたぶん楽しそうに話していた。

 応対しているヒカリが「うん」とか「そう」とか「本当」とか短い言葉しか発してなかったが、声が弾んでいたから間違いないと思う。

 実際通話が終わると、


「コトリから美味しいご飯情報を聞いた」


 と満足している様子だった。

 もちろん無事に目覚めたことを喜んでいたとも言っていた。

 その後は俺たちも色々と準備に取り掛かった。

 俺は主にアイテムボックスの整理で、食材をフィロに渡し、クリスはモリガンとエリスから精霊魔法についての指導をなんか受けていた。

 ヒカリたちはサイズが合わなくなったから服を買いに行ったり、他には冒険者登録をしてきたと言っていた。


「見てみて、冒険者カードだよ」


 ヒカリとミアが揃ってそれを見せてきた。

 町に入るための身分証はあるからわざわざ必要ないんじゃないかと思ったが、せっかくダンジョンに潜るならと作ったらしい。


「それで必要なものは買えたのか?」

「うん。ただ必要最低限のものを買った感じかな? 本格的に物を揃えるなら、首都フラーメンの方がいいってルリカたちも言ってたから」


 確かに品ぞろえは首都の方がいいだろうしな。

 その後は皆で食事を済ませ、俺は一人家に入るとゴーレムを召喚して眠ることにした。

 ついでにステータスを確認したが、特にこれといった成長は……ウォーキングのレベルと習得スキルのいくつかのレベルが上がったのと、転移用の魔道具の設置のお陰でMPが下がったぐらいか。

 現在転移の魔道具は、エレージア王国の王都、エルド共和国のエリル、最果ての町、ルフレ竜王国のアルテアに一つずつ、計四つ存在する。

 それで減ったMPが150だから、最初の一個はMP消費なしで設置されて、二つ目から50ずつ減っていく計算になるのか?


名前「藤宮そら」 職業「魔導士」 種族「異世界人」 レベルなし


HP1130/1130 MP980/980(+200) SP1130/1130


筋力…1120(+0)   体力…1120(+0) 素早…1120(+0)

魔力…1120(+200) 器用…1120(+0) 幸運…1120(+0)


スキル「ウォーキングLv112」

効果「どんなに歩いても疲れない(一歩歩くごとに経験値1習得)」

経験値カウンター 10712/1400000


スキルポイント 18


習得スキル

「鑑定LvMAX」「人物鑑定LvMAX」「鑑定阻害LvMAX」「並列思考LvMAX」


「ソードマスターLvMAX」「身体強化LvMAX」「気配察知LvMAX」

「魔力察知LvMAX」「自然回復向上LvMAX」「状態異常耐性LvMAX」

「痛覚軽減Lv8」「気配遮断LvMAX」「暗視LvMAX」

投擲とうてき・射撃LvMAX」「威圧Lv9」「MP消費軽減Lv9」

「MP変換Lv3」


「魔力操作LvMAX」「生活魔法LvMAX」「火魔法LvMAX」「水魔法LvMAX」

「風魔法LvMAX」「土魔法LvMAX」「光魔法Lv8」「闇魔法Lv8」

「空間魔法LvMAX」「神聖魔法Lv9」「錬金術LvMAX」「付与術LvMAX」

「創造LvMAX」「転移LvMAX」「重力魔法Lv8」「時空魔法LvMAX」

「生命付与Lv8」「複製Lv7」「吸収Lv7」「念話Lv5」「合成Lv3」

「同調Lv2」


「料理LvMAX」「造形Lv8」


称号

「限界突破せし者」


 残ったスキルポイントはまたダンジョンに潜りながら考えるか。

 突然何が必要になるか分からないし、これから先ダンジョンに潜ることが多くなるから、ダンジョンに特化したスキルを覚えていく方がいいだろう。

 ……ダンジョンに特化したスキルっていうのも何があるか分からないけど。







 

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