第296話 ゴーレム作成・1
ナハルを発ったその日の夜。今日一日歩いたが遺跡方面に行く人はいないようで、誰とも会わなかった。
MAPで進行方向を確認しても、やはり人の表示はされない。
なら本格的に必要になる前に、少しずつ準備をしようということでゴーレムを作ることにした。
夕食後思い思いに休んでいるから、俺もその時間を利用する。
まずは用意するものゴーレム核。次に相談して作った骨格。軽くて頑丈にしてあるが、今考えられる理想的なものは本当はミスリルだが、残念ながら用意することは出来なかった。
一応創造スキルを使ってそれに近付けて作ってあるが。
あとは肉となる部分は土で作成する。
そうして完成したのは、人型ゴーレム一体とウルフを似せて作った四足歩行の犬型ゴーレム一体だ。
「なかなかいい出来だ」
とちょっと自画自賛。生命付与を与えて動くように言えば、遅いなりにしっかり動く。
どうだとばかりに振り返ると、何故か女性陣の反応はイマイチだった。
「主、なんか微妙」
「まだ試運転だから。これから回数をこなして学習させれば、きっと素早くなるさ」
ヒカリの言葉に、まだ始まったばかりだからと力説する。
それでもヒカリの表情は優れない。
確かに現在の動きはミアの人形の時と比べても遅い。魔力量と材料として使っているものの重量でそうなっていると思う。
だからこれから徐々に良くしていけばいいと思う。
「ソラ、たぶんヒカリちゃんの微妙は動きが悪いからじゃないと思う」
そんなことを考えていたらミアからの言葉があった。
ん? それはどういう意味だ?
「そうよね。これはちょっとどうかと思う」
「ルリカちゃんの言うと通りかな。その、私たちにアクセサリーを作ってくれた人と同じ人が作ったものとは思えないかも」
クリスの言葉に俺は改めてゴーレム二体を見るが、特に問題ないと思うのだが……。
「主、格好悪い!」
それが留めの一撃だった。
ヒカリの言葉に一同頷いたり苦笑したりしている。
「見た目がちょっと悪いかな、と思う」
「ゴーレムだったかな? ボクもこれだと魔物というか、不審者に間違われると思うさ。人目に付かないように使えばいいと思うけど」
ミアとセラの言葉を受けて、その日俺はかなり本気で悩んだ。
もちろんゴーレムは野営などの見張りとして作ったから、別に見た目が悪くても問題ないと思う。
ただその後のセラとルリカの講義、ここに無駄に土が盛られているから動きが悪いなどの指摘を修正したら動きが良くなったため、確かに姿形が多少は影響していることは分かった。
ただ問題が一つあった。
その後練習でゴーレムを作ったが、同じように作ろうとしたが駄目だった。いや、時間を掛ければ作ることは可能だったが。
ヒカリ曰く、それだと料理をする時間が減るということで、俺はスキルを探すことにした。
けっして格好悪いとかセンスがないとか言われたことを気にしたわけじゃない……さ。
NEW
【造形Lv1】【吸収Lv1】
造形はゴーレムを作成する速度を上げてくれて、尚且つ人体や動物の形や構造の理解力を深めてくれるスキルのようだ。たぶん、これが今俺に足りないものだと思う。
吸収は文字通り魔力を吸収してくれる。これは生命付与などでゴーレム核に残った魔力を回収するために覚えた。
これは失敗作を前にして、とりあえずアイテムボックスに回収しようとして駄目だったからだ。どうもゴーレム核に魔力が残っていると、アイテムボックスには入らないため、いざという時のために覚えた。
ただこれに関しては嬉しい誤算があった。
例えば魔力を吸収するのに消費するMPが5とすると、MPが1回復した。まだレベルが1だからその量は少ないが、レベルが上がれば使用したMP分を超過する量を回復出来るようになるようだ。
他にも剣などに付与出来れば、もしかしたらドレイン効果の武器を作成することが可能になるかもしれない。
探せばもっと有効なスキルがあるかもしれないと思ったが、結局のところ使いこなせないと意味がないと思ってこの二つでやめた。
そもそも前に覚えたスキルも使いこなせているか怪しいものもあるからな。
名前「藤宮そら」 職業「魔導士」 種族「異世界人」 レベルなし
HP1070/1070 MP1070/1070(+200) SP1070/1070
筋力…1060(+0) 体力…1060(+0) 素早…1060(+0)
魔力…1060(+200) 器用…1060(+0) 幸運…1060(+0)
スキル「ウォーキングLv106」
効果「どんなに歩いても疲れない(一歩歩くごとに経験値1習得)」
経験値カウンター 220309/800000
スキルポイント 42
習得スキル
「鑑定LvMAX」「人物鑑定LvMAX」「鑑定阻害Lv7」「並列思考LvMAX」
「ソードマスターLvMAX」「身体強化LvMAX」「気配察知LvMAX」
「魔力察知LvMAX」「自然回復向上LvMAX」「状態異常耐性Lv8」
「痛覚軽減Lv6」「気配遮断LvMAX」「暗視LvMAX」
「
「魔力操作LvMAX」「生活魔法LvMAX」「火魔法LvMAX」「水魔法Lv8」
「風魔法Lv8」「土魔法LvMAX」「光魔法Lv6」「闇魔法Lv7」
「空間魔法LvMAX」「神聖魔法Lv7」「錬金術LvMAX」「付与術LvMAX」
「創造LvMAX」「転移Lv7」「重力魔法Lv4」「時空魔法Lv4」「生命付与Lv4」
「複製Lv3」「吸収Lv1」
「料理LvMAX」「造形Lv1」
称号
「限界突破せし者」
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