織田信長、危機一髪

 その激動の人生の中で、信長は何度も死にかけている。

 有名なのは1570年、杉谷善住坊に狙撃された事件であろう。

 そのほかの例を挙げていく紙幅がないので省略するが、起きた事件のわりに、注目されていないなと個人的に思っているのが、1580年4月24日の事故だ。


 Wikipediaの丹羽氏勝の項に次のようにある。

『信長が鷹狩のために伊庭山に訪れたとき、氏勝の配下が大石を切り出す普請をしていたが、配下は手元が狂い信長の通り道先に大石を落としてしまった。信長は怒り、氏勝の家来一人をその場で手討ちにした』

 氏勝は同年8月に、『林秀貞・安藤守就と共に、突然信長より追放される。理由は先年信長に逆心を抱いたためという』とのことである。


 個人的には、本能寺の変でこれだけいろいろと説が出るのが許されるのならば、上の事故の裏側を勘ぐってみても叱られることはないであろうと思う。

 信長暗殺を謀った事故と見立てた話を読んでみたい。

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