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姫はきっぱりと応えました。
「私が死んで悲しむ人は、もうこの世には1人もいないよ! みんな死んじゃった!」
その叫びと同時にドーム状のガラスが消滅。姫はその箱のふたを掴みました。
黄泉の国の準一は叫びます。
「姫、だめだ! 箱を開けるな!」
姫は箱を開けてしまいました。落胆する準一。
「ああ、なんてことを・・・」
箱の中身は本ではなく、手帳が入ってました。姫はその手帳を手に取り、開きました。そして読みます。
「今日私はついに魔法を獲得した。マナの力を得たのだ。これはとても素晴らしいことだ。この魔法、末代まで続くようにしよう」
姫はこの一文だけでこの手帳の本来の持ち主は、太陽王と呼ばれたノルン王国初代王だと判断しました。
姫はペラペラとページをめくり、あるページで眼が止まりました。
「私が最後に得た魔法は閃光魔法。これは自らのマナの力を爆薬にして、爆発を起こす魔法である。爆発力はマナの力によって変わる。マナの力が強ければ強いほど爆発力は増す。人によっては街1つ丸ごと丸吹き飛ばすこともできる。
この魔法は偉大な魔法である。その一方で、あまりにも不合理な魔法でもある。魔法をかけた者まで木端微塵に吹き飛んでしまうからである」
姫ははっとしました。準一を巻きこんで木端微塵に吹き飛んだ娼婦を思い出したのです。
グラニ帝国に雇われてる魔女ブリュンは、この禁忌の魔法を知ってたのです。しかも他人にこの魔法をかける
ちなみに、あの娼婦が持ってたマナの力は、姫のそれの半分もありませんでした。おそらく1/5以下。つまり姫は、あの娼婦の自爆の5倍以上の爆発を起こすことができるのです。それだけの爆発力があれば、あの空中要塞ごとナルヴィを始末することができるかもしれません。
姫は再び手帳に眼を通しました。
「こんな悪魔の魔法だが、それでもいつかは必要となる日が来ると思う。だが、
姫がさらにページをめくると、その魔法を使用するときの呪文や条件が書かれてました。
姫は顔を上げました。その顔は決意に満ちてました。
黄泉の国の準一は、その顔を見て愕然。
「ああ・・・」
そう、姫はあの空中要塞と刺し違えるつもりなのです。侍従長の懸念はその通りになってしまいました。
図書館外観。ドアが開き、姫が飛び出してきました。その勢いで箒を呼び出し、それにさっと跨って大空に舞い上がって行きました。
黄泉の国の準一は隣にいる女神を見て、
「女神様、姫は・・・ あの
けど、女神は反応しません。
「女神様、お願いです。姫を止めてください!」
女神はぽつり。
「できません」
「なんで? なんでです!? あなたはこの世を
「私はここから世界を見守ることしかできません。できるのは、非業の死を遂げたカップルを来世で結びつけることだけです。
あなた、異世界から来たようですが、もしかして私のこと、ぜんぜん訊いてないのですか?」
「え?」
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