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侍従長。
「しかし、準一殿の世界に行けなくなったとすると、もう武器の調達は・・・」
姫はこの大広間に描かれた巨大な魔法円を見て、
「未来の武器ならまたこの魔法円を使って調達してくればいいわ。この魔法円があれば、あらゆる世界に行くことができるから。
けど、なんで向こうの世界の魔法円が消えちゃったんだろ?」
準一は自分の世界の上空に描かれた魔法円を思い出し、
「向こうの世界の魔法円て、オレの世界の空に描かれた?・・・」
「うん」
姫は再び床の魔法円を見て、
「私がこの魔法円でとりあえず異世界に行ってみる。行った世界が有用じゃなかったら、すぐにここに舞い戻って来る。もし、有用な世界だったら、魔法円でマーキングしておく。そうすればその世界に何度も行くことができるんだ」
「そんな仕組みだったんだ・・・」
侍従長。
「ともかく今日はもう遅くなりました。お休みください」
こうしてこの日は解散となりました。
翌朝、8時くらいか? 姫と準一が箒に乗って飛行してます。なお、準一は肩にカバンをかけてます。中にはパトロール魔女ジェニーのDVDBOXとDVDプレイヤーが入ってます。
準一は電源である太陽光パネルの場所に向かうと思ってましたが、それをあっさり通り過ぎてしまいました。準一は前にいる姫に呼びかけます。
「あれ? 姫、どこに行くの? パトロール魔女ジェニーのDVDを一緒に見ようよ!」
「それはあと。今はどうしても行かなくっちゃいけないところがあるんだ」
それを聞いて準一の心はちょっともやったようです。
2人の行く先に小さな建物が見えてきました。丘の上にある建物。建物の前には石畳があります。石畳はかなり広いようですが、大部分は草に埋もれていて、具体的な広さはわかりません。小さな建物の前のみ除草してあるようです。
2人が乗る箒が小さな建物の前に降り立ちました。準一は姫に質問します。
「この建物は?」
「図書館」
「ん、図書館にしては小さいんじゃ?」
姫は周囲を見渡しました。
「ふふ、ここには元々宮殿があったのよ。けど、地震で宮殿が壊れちゃって、今の場所に移転したの」
「その地震て、もしかして先代王の?」
「あは、じぃから聞いてるんだ。そうよ、その通り。生まれたばかりの6人の娘を次々と処分されたおじい様が、怒りのあまり引き起こした地震。ま、おじい様は肯定も否定もしてなかったみたいだけどね、その地震のこと。
宮殿は壊れちゃったけど、この建物だけは無傷で済んだ。そこで宮殿内にあった重要な書物をここに移した。本当は一時保管の予定だったんだけど、いろいろとあってそのままここに保管することになったみたい。
いつの間にかこの建物の存在は忘れ去られちゃったけど、私にとってこの建物は、とっても大事な図書館なの」
建物のドアには物々しい
「さあ」
姫は準一に中に入るように促しました。
ここは建物の中、今ドアが開き、姫と準一が入ってきました。室内は薄暗いて感じ。窓を見ると、ぶ厚いカーテンがかかってます。
姫はこの建物を図書館と言ってましたが、中には書架が1つしかありません。その中に入ってる書物も、書架収納能力の半分以下。
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