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 晴天下、準一と侍従長の会話が続いてます。

「ひどいなあ。王様は何も抗議しなかったんですか?」

「もちろんひどく激怒しました。しかし、王は当時まだ15歳。逆らうことはできなかったようです。

 続いて第2王妃と第3王妃も出産。けど、2人とも女の子でした。この2人もすぐに亡き者にされました。

 3人の王妃はすぐにまた妊娠しました。が、またもや3人とも女の子でした。この3人も出産と同時に亡き者となりました」

「う~ん、ひどい話だ、ほんと・・・ 王様はずーっと自分を押し殺してたんですか?」

「まあ、それがですねぇ、都合6人目の王女を亡き者にした直後、この首都イザヴェルを大地震が襲いました。死者2千数百人。十中八九先代王が起こした地震でした。ま、本人は否定も肯定もしませんでしたが。

 それから数ヶ月後、またもや3人の王妃は妊娠しました。このときは宮廷内にいる者ばかりか、イザヴェルに住まう住民たちも恐れ、震えました。もし次も女の子が生まれたらどうすればいい? 亡き者にしたらまた王の怒りに触れ、地震が起きる可能性があります。けど、生かしておいたら・・・

 ついに最初の子が生まれました。それは男の子でした」

「あは、やっと男の子が生まれたんだ」

「左様。続く2人の赤ちゃんも男の子でした。私はこの頃すでに侍従になってましたが、みんなで喜んだものです。しかし、また不幸が発生しました。

 王妃がまた女の子を生む可能性がある、危険だと、一部の近衛兵が画策し、先代王がいない隙を見計らって3人の王妃を惨殺してしまったのです。先代王は大変悲しみました。先代王は本当に3人を愛してたのです。

 それでも3人の王子はすくすく育ち、17歳、結婚適齢期になりました。3人とも同じ日に結婚することになりました。

 3人の花嫁の出身地ですが、母親がウルズ王国だった第1王子はウルズ王国から花嫁をもらい、他の2人も母親と同じ出身国の花嫁をもらいました。

 最初に妊娠した妃殿下はスクルド王国から来た妃殿下でした。我々は第2妃殿下と呼んでましたね。生まれてきた赤ちゃんは、またもや女の子でした」

「あは、女の子・・・ 何かの呪いかな?」

「我々はまたもや会議を開きました。ただ、以前の会議と違うのは、若いという理由で会議から締め出されていた王が、今回は参加してたのです。大勢の意見は亡き者にするでしたが、王の鶴の一声でその赤ん坊は生かされることになりました」

「あは、さすがに王様に逆らうことはできないか・・・」

 と、ここで準一はあることに気づきました。

「ん? そう言えば姫の母親はスクルド王国出身だったような?・・・」

「左様」

「てことは、そのとき処刑されるはずだった赤ん坊は姫・・・ 今の女王様?」

「左様です」

 準一はヒルドを殺害した直後の姫のセリフを思い出しました。

「私、おじい様がいなかったらこの世には存在してなかった。だからどうしても仇を討ちたかった・・・」

「あのセリフにはそんな意味があったんだ。しかし、姫の血の3/4はスクルド王国の血だったなんて・・・」

 準一はスクルド王国軍の一斉射撃を防御魔法スヴェルクーゲルの光の球体でなんとか持ちこたえてる姫を思い出しました。

「それなのにスクルド王国軍に殺されそうになった。ひどい話だな・・・」

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