第3話 第4のヒト


「あれが……敵?」


『そうだ』


僕はタクシーを使ってサーカスの控え室に来た。本日の公演は終わっているので、スタッフやキャストさん達が後片付けに追われている。

その中にサーカスの団長、シャムさんがいた。シャムさんとは、テレビにも出演されている、かなり知名度が高い女性だ。

彼女は鞭を使い猛獣を扱う。しかもかなりの美貌…。なので、人気がアイドル並みにあるのは全然不思議なことじゃない。


「父さん!あの人はシャムさん、サーカスの団長だよ?!」


僕はドローンに搭載されたカメラに向かって話す


『それがどうしたシンゴ? アレは第4ヒト…我々の敵だ』


「な、何を言ってるの父さん?僕には訳が分かんないよ」


『知名度、人気度、そして…世間にチヤホヤされている奴等は全部敵だ! シンゴ…お前は幼かったから覚えていないだろうが、母さんはアイツらに唆されて蒸発したんだぞ!

お前の母さんに対する思いはその程度か?復讐しようと思わないかシンゴ!』


「アイツらに母さんが?……ちくしょう。やってやる、やってやるよ僕が!」


『それでこそマイサンだ』


「…だけど、どうすれば…」


『シンゴ君よく聞いて』


「チサトさん!」


『君の拘束アーマーのポケットに武器があるわ。ソレを使ってヒトのコアを破壊するの』


「ちょ、ちょっと待って下さい、、。あ、コレか」

僕は右のポケットに入っていた紫色の物体を取り出した


「ヌンチャク?…にしては小さいぞ」


紐?コードの片方に卵形の物体、、もう片方にはスイッチらしきものがついている


『シンゴ君、スイッチを入れてみて』


「これかな?」



ブーーーン


卵形の物体が震えた



♦︎



(シンゴ親子が戯れるちょっと前まで遡る)



「んー…最近どこのテレビも同じだな」


「仕方ないぜ。バラエティってそんなもんだろ」


「あなた達、仕事しなさい!」


「「へーい」」


マーヤに男二人が叱られる。茶葉はリモコンを使いバラエティ番組から違う局に変えた


「好感度ランキング?」


テレビ番組でランキングを発表する二時間のスペシャル番組が映る


『今月の好感度ナンバーワンは…

  ……みなさんご存知、サーカス団団長のシャムさんです!』


?!!


「おい!これって…」

「パターンオレンジ!ヒトですっ」

「矢吹!石定司令に!ーー早くっ」


つーことがあったらしい



♦︎



「チサトさん。コアってドコ?」


『ちょっちゅねー』


「チサトさん?」


『とりま身包み剥いでみてー』


…なるほど。

コアって言うくらいだから服には付いてないよな。チサトさんのゆーとーりにやってみよう。



「ぐ! 痛い!痛いってば!!」


ヒトから激しい抵抗にあう


鞭が僕の肩や足を打つ。避けようにも変則的な鞭の動きを躱すことができない


「ちくしょう!鞭攻撃さえなければ…」


『シンゴ、お前の覚悟はその程度か?鞭で打たれるのは痛いんじゃない…。わかるなシンゴ?』


どういうことだ?

これが痛くないって?!

分かんない……分かんないよ、父さん!


「痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!いた…

       …おや……痛くない?」


バシバシ打たれていると、いつしか痛みがなくなっていた。ううん、違う!

これは気持ちいいんだ!


『そうだシンゴ。鞭はご褒美だ』


「父さん、僕にも分かったよ! よーし…」


ヒトが怯んだ隙に服を剥ぎ取った。コアを早く探し出さなければ!


『シンゴ君よーく見て。足の付け根に突起物が見えない?』


僕は転かしたヒトの両足を持って観察した。

付け根…付け根…。ああ、コレか!


「ありましたチサトさん!」


『そう。それがコアよ。そこにアグレッシブローターを突きつけなさい』


「うおぉぉぉぉ!!」


"ブーーーン"


………

……


プシャァァァーーー!



ヒトからcocが放出された


【ヒト殱滅】


『よっしゃあー!』


『よくやったシンゴ』



僕は初めての戦闘に勝利した。


見慣れない一機のドローンがパシャパシャと写真を撮っていたが、その時の僕は全くきにしていなかった


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秘密結社 NTRe 黒糖 @petton

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