音声認識あそび

 我が家でブームになっている遊びがある。スマホの音声認識をつかった滑舌ゲームだ。特に相方も私も滑舌が悪いので、このゲームにはとても向いている。というか、滑舌悪い人でないとこの遊びは成立しないのだ。遊び方はいたってシンプル。スマホ音声認識機能を使って、好きな言葉を話すだけ。予想外の認識で、どれだけインパクトある認識表示をしたかで勝敗が決まる。

 

 相方はそもそも「ち」の発音がすごぶる悪いという武器があるので、大概私が負けてしまうのだが、勝敗だけでなくスマホの認識結果がこれまた、大幅加点されるくらいのインパクトがある。


 相方の傑作トップ3は、「キッチン」「チキン」「チロルチョコ」。

「キッチン」と言えば、「喫緊(きっきん)」と認識、「チキン」と言えば、「キッチン」に、「チロルチョコ」に至っては、「切られたか」と認識される。このトップ3は、何度チャレンジしても同じ認識結果となる抜群の安定感。さすが、師匠!!といったところである。


 そして相方のトップ3とは別格のキングクラスが、「いちご」である。

相方の「いちご」は「いきが」と認識されるのだ。これも安定感抜群で、大好きな果物の王様を「いきが」と呼ぶ大変無礼な扱いとなっている。


 相方は、コメダ珈琲に行くと必ず「いちごシェイク」を注文するのだが、店員には「いきがシェイク」と聞こえるので、「いちごシェイクですか?」と注文を復唱されるのが常である。中年白髪交じりの天パおっさんが、「いきがシェイク」を美味しそうに飲む姿と「いきが」としか言えない滑舌がどうにも笑える日常である。

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