9話 ショッピングタイム その3

俺とサリーちゃんはスーパーでいろいろと食品を見ている。


「遊くんは特に好みは無いんですか? やっぱり遊くんの好きなので料理したいですし」

「そうだな……強いて言えばアジとかが好きだけど」

「そうですか。じゃあアジにしますね」

「あれー? サリーちゃう? どうしたん買い物?」

「えっ、あっ……瑞葉(みずは)?」


突然の声にサリーちゃんが振り返る。

俺も一緒に振り返るが、いたのはサリーちゃんと同じグループのメンバーの高野(こうの)さんだった。


「あれ……一緒にいるのサリーの彼氏? サリー彼氏出来たん?」

「ちょっと瑞葉。声大きいって……」

「ああごめん。でもサリー彼氏ってマジなん。一番男と縁遠そうやったのに」

「まあ色々あってね」

「へえ。なあ彼氏さん。名前何ていうの?」

「俺ですか? 風越遊です」

「へえ、風越さん。結構イケメンやし、サリーの好みそうかも」

「そうですか。ありがとうございます」

「もう瑞葉。話は後でするから今日のところは……」

「そう……まあ明日仕事やし、そこで話聞かせてな」

「分かったよ。メンバーには全員明日話すから」

「頼むな」


そういいながら高野さんは去っていった。

なんというか、テレビで見るイメージ通りの明るい人だった。


「明るい人だね。テレビと同じだったから少し驚いたけど」

「瑞葉はムードメーカーだからね。でもいい子ですよ。私と一番仲良い子です」

「うん。確かに良い人ってのは伝わったよ」


その後俺とサリーちゃんは買い物を済ませて家へと帰ることになる。

荷物が結構あったので帰りはタクシーだったが、車内でも俺とサリーちゃんの会話は弾み、とても楽しい時間だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る