8話 ショッピングタイム その2

「うわ、結構多いし、服はどれがいいかマジでわからないかも」


長年ニートをやってきただけあって、服のセンスは壊滅的に衰えている。

その俺にこの服の山から何がいいか選ぶか何て至難の技だ。


「サリーちゃんは男性に着てほしい好みとかある? それに合わせるけど」

「うーん。そうですね……でも私結構ヲタク趣味なのでヲタク臭くなるかもですよ。それで大丈夫です?」

「そうなの? サリーちゃんインスタとかの服も結構オシャレだけど……」

「多分それ、お母さんが選んだ物ですよ。お母さんはセンスがいいのでたまにアメリカから日本に来たときに選んでもらってます。私は結構ヲタっぽいのチョイスしがちです」

「へえ、意外。でもまあそれでもいいよ。サリーちゃんと一緒に過ごすんだし、サリーちゃんの好みならそれが一番だと思う」

「何だかそう言われると照れますね」


サリーちゃんが珍しく顔を赤くしている。

でも嬉しそうだし、サリーちゃんがうれしそうにしてるならそれが一番だ。


「じゃあこういうのとかどうです。カッコいいですよ」

「そう。じゃあこれにしようかな」


サリーちゃんが選ぶ服は全体的に黒っぽい服が多い。

中二感が強い気がするけど、サリーちゃんがこういうのが好みならそれで構わない。


「これから暑くなるので夏物中心でいいですよね。秋冬はまたその時でいいですか?」

「うん。それで全然いいよ」


サリーちゃんが選んだ物をいくつか持って試着室へ。

それを着てサリーちゃんに見せるが……


「これ……ダサく無い?」

「そんなこと無いです。遊くん素敵ですよ。カッコいいです」

「そうかな? 30超えてこのセンスはちょっと恥ずかしい気もするけど……」

「何を言うんですか。ロックな人はおじさんでもファッションは中学生のセンスです。ファッションに年齢はありません」

「そう。まあサリーちゃんがいいならいいかな」

「はい。お願いします」


実際サリーちゃんと一緒にいる時間が一番長そうだし、サリーちゃん好みに合わせるのが一番かな。

そう思うと意外と抵抗は無かった。


その後下着とか普段着も適当に選んで主なショッピングは終了となる。


「終わったね。これからどうする?」

「夕食の買い物していきません? 今日は遊くんの好きなもの作りたいです」

「そう……何にしようかな」

「あっ、でも難しいものは無理ですよ。私料理はそこまで得意じゃないので」

「OK。じゃあ……お昼肉料理だし、魚料理にしようかな」

「何か種類は希望あります?」

「特に無いよ。サリーちゃんの得意な魚料理で」

「分かりました」


そうして俺とサリーちゃんは一階のスーパーのところへと向かう。

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