7話 ショッピングタイム その1

モールに着くと、サリーちゃんはスマホのメモを確認している。


「色々と見るものありますけど、まずは何にします?」

「うーん……ベッドからにしようか、別に何でもいいから何となくだけど」

「そうですね。そうしましょうか」


俺とサリーちゃんは寝具を売っている家具のショップのところへと向かうことにした。


「へえ、結構あるね。何がいいんだろ?」


寝具コーナーに展示されているベッドをいくつか見ながらも、数が多すぎて分からない。


「こだわりが無いのならブランド物にしましょう。その方が寝心地とか、間違いはないですよ」

「そんなもの?」

「はい。例えば……これとかいいですね」


サリーちゃんが近くにあったシングルベッドを勧める。


「へえ、……うん凄いフカフカだね」


横になって見ると確かに凄いフカフカで寝心地はかなり良さそう。


「私の部屋のベッドもこれですし、お揃いにしましょう」

「そうだね。じゃあこれで」


特にこだわりも無かったので、迷う余地はなかった。

その後も棚や座椅子なども見て回るが、やはりサリーちゃんの勧めるものを選ぶことになる。

ブランド物に疎いせいもあるが、サリーちゃんが勧めるなら間違いはないだろう。

そんな感じでそのままテレビとかも決めると、時計は14時を回っていた。


「少し遅いですけどお昼にしましょう。近くに美味しいランチのお店があるんですよ」

「へえ、じゃあそこにしようか」


サリーちゃんが案内したのは、モールの高層階にあるちょっと高級感のあるレストランだった。

数日前まで自分には縁のない場所だ。


「ここですよ。ここの肉料理が美味しいんです」

「へえ、こういう店入ったこと無いから分からないけど、マナーとかはどうなってるの?」

「分からないのでしたら、私が教えますよ。心配しないでください」

「うん。じゃあ任せるよ」


俺とサリーちゃんは中に入る。

店の中も結構インテリアが凝っている感じだ。

結構凄い。


「私はランチのコースにしますけど、遊くんはどうします?」

「同じでいいよ。初めてだし、サリーちゃんと一緒で」

「そうですか。それじゃあ」


サリーちゃんはテーブルの上の鐘を鳴らして店員を呼び、注文をする。

こういう店は初めてだからやはり緊張してしまう。


「遊くん緊張してます?」

「えっ、顔に出てる?」

「いいえ、なんとなく。ですけど大丈夫ですよ。ファミレスと同じ感覚でいっても大丈夫ですし」

「そんなもの?」

「はい。それに慣れたら次からはもう全く平気になりますよ」

「そっか。そう言われると少し気が楽かも」

「そうです。……あっ、前菜が来ましたよ」


ふたりでしゃべっているうちに前菜が来る。

コース自体は前菜、スープ、サラダ、メインの肉料理、デザートというものだったが、味は想像以上に美味しかった。

マナーもサリーちゃんの食べるのを真似ながら食べたけど、何となくマナーも分かってきたので失敗はなかったと思う。


「美味しかったですね。遊くんはどうでした」

「うん。美味しかったよ。それよりマナーはどうだった。変じゃ無かった?」

「大丈夫でした。もう心配いらないって言ったじゃないですか。言った通りだったでしょ」

「そうだったね。確かに取り越し苦労だった気がする」

「それじゃ次は服見ましょうか」

「そういやこれ借り物だったね。確かに部屋着も外出用も全くないし、揃えないと」

「じゃあ行きましょう」


食事を終えた俺とサリーちゃんは次の目的地のセレクトショップへと向かう。

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