第8話 首都へ帰還して冒険者らしい生活

 ブンブンの採取で荒稼ぎをしていると、どんどんミクラの探索術が上がっていく。もうLv四だよ。

 ここまで来ると結構な範囲を探索できるんだ。それは採取する奴だけじゃなくて、人々だったり、モンスターだったりね。


「ミクラはもう古代文明のセンサーってやつだね」

「うーん、そうかもしれませんしそうじゃないかもしれません」


 センサーミクラによって「ブンブン」で荒稼ぎをした僕たちは首都「ザンシュルク」に向かうことにした。一応、ここが僕の目的の場所だし、インプラントを直す情報もそろっていると思うから。


 伯爵領からそんなに遠くないし、魔導バスが走っていて乗り合いバスなんてのもあるから移動はスムーズだったよ。


 ザンシュルクについた僕たち。

 国で一番発展しているところなので、魔道機関の普及も国一番。

 魔導バスとか、魔導街灯、水洗式トイレに魔導ウォシュレットとか。

 ミクラはいたく感銘を受けていたなあ。魔導飛行船とか見た目からしてすごいもんね。「乗ってみたーい!!」って言っていたけど、あれはお金持ち様が乗る奴ですので……乗れるとして

 貨物船の三等客室だろうね。音が凄くて眠れないらしい。


「確かあの貨物船で大規模交易をしているはずだったかな。王都はあまり詳しくないんだよね。ここに呼びだされて、すぐにつよつよ冒険者パーティに入ってこき使われたから」


 ミクラは悲しそうな顔をしていたけど、僕はそうじゃない。ここできっと未来が変わる出来事が起こるんだ! そのために帰ってきたんだ!


 冒険者ギルドでいつもの安いインフラを借りて、いろんなところを巡り情報を漁る。もちろんそれにはお金が要るのでギルドの依頼を受けてお金を稼ぐ。

 もともと採取と馬車襲撃で名声が高まってたので、僕がBB、ミクラはCCに個人ギルドランク上がることが出来た。パーティギルドランクはC+だね。


 こうなってくると指名入りをされるようになってくる、やれあれを討伐しろだ模擬試合をしろとか。でもそういうのは断った。

 断れる権限はギルド側、冒険者側にある。命かけるのはこちらだからね。

 貴族との関係は悪化するけど……。

 そして、断ったのはミクラが魔法をまともに使えないからだ。

 だからミクラの得意な採取系依頼をバンバンこなすようにした。これならおきつね効果でバンバン採取していくことが出来る。

 少々不満をもたれはしたが、黄金で出来た七色に光る花を王家に献上してからは文句も言われなくなった。


 ちなみに王家に献上したことで爵位を貰えそうになったけど丁重にお断りした。貰えるとして騎士の爵位。これは相続できない。ミクラは僕より長く生きる。ぼくが死んだらミクラが路頭に迷ってしまうから……。


 その代わりと言っちゃあなんだけど、王家と仲良くなった。


 やはり貴族は亜人を嫌悪していた。ミクラは嫌がらせも受けていただろうと思う。

 それが王家の後ろ盾という後光によって少なくとも減ったとは思う。

 多分僕の知らないところで嫌がらせは受けているのだろうけど。


「冒険者ギルドの依頼も、そろそろ積極的に討伐を選んでいこうな。やっぱり僕たちはLvが低い」

「そうですね、フィルク様はずっと高いって思っていたのですが、王都に来たら……」

「ふふ、ミクラも言うようになったね、うれしいよ」

「いや、そんなつもりではっ!」

 慌てふためくミクラも可愛いもんだ。


 そんなわけで王都近くのモンスターを討伐。

 ここには無限にモンスターが湧いてくる階層ダンジョンがあるので、そこでミクラのレベル上げ。

 ダンジョンモンスターはスキルオーブを希に落とすので、使わないモノは売り払ってお金にしよう。


 二人がかりで翻弄しながらライトニングショットをミクラが当てていく。

 インプラント魔術が出来ないだけで魔力はもう比較する人がいないのではないだろうか。当たれば死ぬ、駆逐に次ぐ駆逐。

 固有スキルの「おきつねMP回復」があるしそれも上がるのでどんどん処理サイクルが早くなってくる。

 オークじゃ物足りなくなったので下の階層にいるギガントを処分。これも僕がスキルを使って支援。

 僕もミクラも良い感じにレベルが上がった

 そんなわけでこんなステータスになった


 ――ステータス表記はアラビア数字を使います――

 フィルク

 Lv45

 MP:160


 ATK:330

 MTAK:160

 DEF:320

 RES:320

 AGI:380

 DEX:400


 スキル

 一刀両断:Lv4 

 ダブルアタック:Lv5 

 バックスタブ:Lv2 

 砂蹴り:Lv5

 石拾い、石投げ:Lv9

 ダブルファング:Lv4

 ピアッシングポイント:Lv1

 強打:Lv1

 強斬り:Lv1

 狙う:Lv2


 双眼鏡:Lv7

 コンセントレーション:Lv5

 気配隠し:Lv5

 聞き耳:Lv5

 ステップ:Lv5


 罠配置、解除:Lv6

 スローポイズン:Lv8

 低級鑑定:Lv8

 男料理:Lv8


 耐性

 精神汚染耐性:Lv2

 恐怖耐性:Lv2

 閉所恐怖耐性:Lv5

 人型処分耐性:Lv10

 空腹耐性Lv6

 悪臭耐性Lv5

 毒耐性Lv2

 痺れ耐性Lv2


 熟練度

 片手剣:Lv3

 短剣:Lv5

 片手半剣:Lv7

 弓:Lv6 

 肉体強化:Lv3 






 ミクラ


 Lv35


 MP:4000(体内にため込んでいる)


 ATK: 35

 MTAK:1500

 DEF:35

 RES:1600

 AGI:450

 DEX:450


 生活魔法群:Lv7 

 ファイヤアロー:Lv3

 コールドアロー:Lv3

 ウインドエッジ:Lv3

 アースショット:Lv3

 ライトニングショット:Lv1


 固有スキル(オーブを取り込むのでは無くて使うほどに成長する)

 きつねの周辺観察:Lv6

 きつねのMP吸収:Lv7

 きつねの機敏:Lv4

 毎日ちょっとづつだけ努力が出来る子:所持

 きつねの探索術:Lv3

 人型処分耐性:Lv1

 ――――


 ギガントを倒すと言う事でスキルオーブも少々買った。弓も少々使ったかな。気配消しからのバックスタブがきまればかなりのダメージなんだが、バックスタブは暗殺にも使われるから価格が高いんだよねえ。


 結構楽しく王都の生活を謳歌していると、冒険者ギルドにある電報が届いた。



『お前のせいでパーティがぐちゃぐちゃだ。早く戻ってこい。勇者様の命令だ』

『ねえ、やっぱり貴方がいないとだめのよ。勇者なんて切りすてて私と良いことしましょう?』


 等々。

 つよつよ冒険者パーティが泣きを入れてきたみたいだ。

 どうやって断ろうかなあ。

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